モチモチの生地にバジルの香り、熱することで甘みが出たジューシーなトマト、とろけるチーズ。イタリアのピザは世界中で愛されています。
そしてイタリア発祥のピザといっても、実は地域により異なった特徴を持っていることをご存知でしょうか。
一口にイタリアのピザといっても非常にバリエーション豊かで、それぞれ見た目だけでなく味も違います。
今回はイタリアの地域によって異なるピザの特徴についてご説明致します。
ピザ発祥の地
ピザ生地の原型であるパンが生まれたのは、紀元前です。イタリアピザの発祥の地は南部のナポリで、その近くのポンペイでは丸型のパンに8等分になるような化石も出土しています。
そして古代ローマ時代のフォッカチオに具を乗せて焼いたものが現在のピザの原型と言われています。ピザが現在の形となったのは16世紀にインカからトマトが持ち込まれたことによるそうです。当時インカと同じくスペイン領でだったイタリアのナポリに持ち込まれたトマトは貧しい人たちがパンに載せる具材として使われていたのです。トマトがイタリアの食文化に与えた影響は非常に大きく、ここから今までチーズだけを載せて食べていたパスタにも、トマトが使われるようになったのです。
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ナポリピザ
柔らかくもっちりとした生地に、シンプルなソースと具材が特徴です。
実はナポリピザと呼ばれるには、厳格な基準があり、協会が定めた基準をクリアしなければなりません。例えば、生地は80%以上の精製小麦粉で、直径は35cm以下。厚さは4mm、混ぜてよいものは水、海塩、イーストのみなどです。
調理も、生地は必ず手で延ばすし、薪を燃料とした窯の床面で直焼きするなどといった取り決めがあります。カットされていない状態で提供されることも多く、基本はナイフとフォークを使って、一口大ずつカットしながら食べます。
バジルの緑、モッツアレラチーズの白、トマトソースの赤をイタリア国旗に見立てたマルゲリータ、トマトソース、にんにく、エキストラヴァージンオイル、オレガノのみで作られているマリナーラ、カルツォーネもイタリア南部のピザです。
ローマピザ
ローマピザはイタリア中部で生まれた、ナポリピザと対をなすポピュラーなピザです。低温で時間をかけて焼き上げられ、サクサクとした生地が特徴。多種多様な具材を生地いっぱいに乗せます。生地を楽しむナポリピザと、具材を楽しむローマピザと覚えてもいいかもしれません。
4種類のチーズと生乳が乗ったクアトロ・フォルマッジや、トマトソースやチーズ、バジリコのほかに、サラミやチキン、唐辛子を加えたディアボラも、定番のローマピザの一つです。
ミラノ風ピザ
イタリア北部愛されているのがミラノ風ピザです。生地が5mmとイタリアピザの中で最も生地が薄いので、カリカリとした食感があります。
薄い生地のうえに、きのこ、野菜など山の幸を具材として用いることも特徴です。多くの具材が生地に乗っており、「耳」の部分がほとんど無いため、ナイフとフォークで食べます。
ボスカイオーラも山の幸であるきのこ類をふんだんに使ったピザとして知られています。
その他の地域のピザ
イタリアのシチリア島北西部に位置する都市・パレルモのスフィンチョーネは、ふかふかしたパンのような食感が特徴で、具材は主にトマトソース、オニオン、羊のチーズ、アンチョビ、パン粉などです。極厚生地のピザも、スフィンチョーネが草分けと言われています。
また、ソルティーノ名物のピゾーロは、生地を生焼けにしたままカットし、オリーブオイルやパルメザンチーズを上からかけて再び焼く、独特な作り方で知られています。
まとめ
イタリアの地域によって異なるピザの特徴についてご説明致しました。ピザに対するイタリア人のこだわりが垣間見れます。
日本では馴染みのないピザもあったかと思いますが、機会がありましたら現地で食べてみて勉強するのも大切です。