ジビエとは狩猟によって獲られる野生動物の肉のことです。主な種類はシカ、イノシシ、ウサギ、キジなどがあります。
そんなジビエですが、最近では専門店もオープンするなど徐々にですがブームと呼べる状況になっていることはご存じでしょうか。今回はジビエブームの背景と魅力について解説します。
鳥獣被害防止
日本では、以前よりシカやイノシシによる農作物被害が深刻です。こういった問題に対し、厚生労働省と環境省では2013年12月に「抜本的な捕獲強化対策」を打ち出し、シカとイノシシの生息数を10年後までに半減するとの対策を採ります。
ここでさらなる問題となったのが捕獲後の処理についてです。害獣としてのシカやイノシシはほとんどの場合焼却処分されていますが、これは捕獲後の処理における衛生管理の問題が大きく、寄生虫やウイルスを保有している場合が考えられるため、素早く適切な処理が求められます。この衛生管理について厚生労働省は、2014年に「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」を出し、ジビエに関する安全性を確保できるようになったことからジビエ料理が広まり始めたといえます。
また狩猟免許の取得者も増加傾向にあり、その傾向は特に若年層に見られマンガにもなるなど、狩猟に関しても注目度が高まっているといえます。
ヘルシーな赤身肉
続いてはジビエの魅力についてです。ジビエの特徴は牛肉や豚肉などの脂質の多い肉に比べて低脂質であり、さらに高タンパクであるところです。昨今の健康ブームにより運動や栄養に気を付けている方も多いかと思いますが、ジビエはそんな健康志向の方に支持されているといえます。
ビタミンやミネラルも豊富で、肌荒れや貧血にも効果があり、女性ならではのお悩みにもピッタリな食材です。
注意点としては、牛肉や豚肉に比べて低脂肪であり、筋肉質なものも多いため、食べたときに硬く感じることが多いかもしれません。しかし噛むごとに味が出てくるタイプともいえ、専門店ではそんな特徴を活かした料理を味わうことができます。
ジビエにも旬がある
日本では狩猟期間が決まっており、場所にもよりますが11月~2月までとなっています。ジビエのシーズンもこの期間となり、旬の食べ物が好きな日本人向きといえるでしょう。またSNSで投稿するなど若年層を中心とした盛り上がりも期待できます。
ジビエの種類
ジビエの中でも日本で多く食べられているものをいくつか紹介します。
イノシシ
スライスして盛り付けると、赤身の色が鮮やかでボタンとも呼ばれます。煮込むことで柔らかくなり味わい深くなり、特に味噌ベースのものと相性抜群です。栄養もビタミンB群を多く含んでいます。
シカ
モミジとも呼ばれ高タンパク、低カロリーでありつつ鉄分を多く含んでいます。味は牛肉に似ており、臭みも少なくさっぱりしていてジビエ初心者でも抵抗なく美味しく食べられます。
ウマ
サクラとも呼ばれ、国内では生で食べられる数少ない種類の肉です。日本では九州を中心に厳格に管理されており、輸入したものもありますが、国内産のものを食べてみるのがおススメです。
ウサギ
フランス料理では一般的な食材で、柔らかくさっぱりしていて鶏肉によく似ています。飼育されたものと野生のものに分けられ、野生のものは野生独特の風味がありますが、適切な処理がされていれば初心者でも食べやすくなっています。
クマ
ジビエらしい臭みの強いイメージのクマ肉ですが、血抜きなどの処理が適切に行われていればおいしく食べられます。栄養面ではコラーゲンが豊富で、クマの見た目と違い美容に効果的といえます。
他にもたくさんの種類がありますが、一度食べると病みつきになってしまう方も多く、自分に合うジビエを探してみるのもよいのではないでしょうか。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
ジビエブームについて解説しました。一般的な牛、豚、鶏といった肉とは違い、味わいに癖のあるイメージをお持ちの方も多いかと思いますが、専門店ではそんな癖をも活かした料理を楽しむことができます。栄養満点のジビエ料理を一度試してみてはいかがでしょうか。