世の中では値上げラッシュが止まりません。飲食店にとって特に深刻なのは食材など原材料価格やエネルギー価格の高騰です。
原材料価格が高騰すると仕入れ値が高くなります。このまま何も対策せず、いつも通りの価格でお客様に料理を提供すると利益は減る一方で、次第にお店の経営を圧迫しかねません。
しかし値上げ分をそのまま料理価格に転化すればいいのでしょうが、そんなことをすると今度は客離れがおきます。
一体どうすればいいのか…。
しかし、「値上げ=客離れ」とは限らないのです。
今回は客離れを防ぎながら、値上げをする秘訣についてご説明いたします。
値上げすると客離れが起きる理由
値上げすると客離れが起きる理由について考えてみましょう。消費者はいつも複数の選択肢を持っており、自分の財布事情などを考慮してお店選びをします。
夕食でラーメンが食べたいと思った場合、その選択肢は大抵唯一のものではなく、「A 店でもB店でもいいけど、今日はA 店に行こう」というような心理状況です。
ここでどちらの店舗を選ぶかの理由はさまざまですが、自分にとってお得感や商品価値がある方を選択する場合が多いでしょう。
値上げをするとこのお得感がなくなるため、客離れに繋がるといった構図です。
商品価値を上げる
原材料価格の高騰が止まらない現状で、よりお得感を出すのは相当困難です。なぜかというと、値上げをせず経営を継続できたとしても、さらなる原材料価格の高騰がないとは限らないからです。
そこで客離れ対策の一つとして有効な手段は、商品価値の向上です。
しかしながら今提供している商品の価値を上げるのはこれまた困難。すでにお店として最高の品質をお客様に提供しているはず。価値や味を簡単にあげられるなら誰も苦労しないのです。
ここで大事なのは「お客様が感じる商品の価値を上げる」ということです。
値上げをしたとしても…
値上げをしたとしてもお客様が「これは妥当な値上げだな」と感じれば客足が途絶えることはないのです。
例えばラーメン店の命である麺の原材料、小麦価格が、2022年2月24日から開始したロシア・ウクライナ戦争をきっかけに値上がりを続けています。
ここで正直に麺の量を減らし、さらに値上げをすれば大抵のお店で客離れが起きるのは容易に想像できるでしょう。
しかし麺の量は増やせない、値上げも避けることはできそうもないという状況下では、どうすればいいのでしょうか。
答えはそう難しくはありません。別の部分で「価格上昇分のプレミア感を出す」ということが大事です。
「値上げ=客離れ」ではない
2023年5月の話ですが、料理価格値上げの代わりにまだ比較的値上げペースが緩やかな「米」を大盛り無料にしたり、おかわり自由にしてお得感を演出する飲食店が増えてきました。
このように、たとえ値上げをしたとしても、値上げに相当する価値を与えることができれば、客離れは起こりません。
これは食材のサービスに限らず、新たにお得なクーポンを発行するなどでもいいでしょう。
とはいえ、対策が容易でないことも事実。インフレ下では、多くの知恵を出せる飲食店が生き残ると言われています。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
客離れを防ぎながら、値上げをする秘訣についてご説明いたしました。
商品価値にプレミア感を出すことで客離れを防ぐことができます。お客様が本当に求めているものは何か。質なのか量なのか。
適切に見極め、対策できたお店がこのインフレ危機を乗り越えることができるでしょう。