「果汁100%」という飲料を見ると、体に良い気がしてつい買ってしまうという方は多いと思われます。
このように果汁は多ければ多いほどいいと考えてる方は多く、この表示が飲料の売り上げにも大きく関わってきます。そのため果汁表記は「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」によってきちんと定められていることは、実はあまり知られていないのではないのでしょうか。
今回は飲食店関係者も知っておきたい、「果汁○○%」の正しい表示方法についてご説明致します。
果汁10%未満・無果汁の清涼飲料の表示
「無果汁」の表示は、「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」により、果汁の使用割合が5%未満のものにされます。
一方で、「食品表示基準」では、使用した原材料を全て重量順に記載することが定められているためです。なお、「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」では、以下のように定められています。
果汁の使用割合が5%以上10%未満のもの・・・「果汁10%未満」
果汁の使用割合が5%未満のもの・・・「果汁○%」又は「無果汁」
果汁を含まないもの・・・「無果汁」
出典 https://www.dydo.co.jp/faq/entry/96
https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/fruit_drink.pdf
上記から、果汁10%未満というのは正しい表記であることがわかります。ただ注意が必要なのは、果汁10%未満が「果汁の使用割合が5%以上10%未満のもの」としている点です。
日本語のまま解釈すれば果汁1%も果汁10%未満ですが、「果実飲料等の表示に関する公正競争規約」によるとそうではないことがわかります。果汁5%未満は「果汁○%」又は「無果汁」と表記しなくてはいけません。
果実飲料における画像やイラストのルール
果実飲料のデザインまでも、法律によって表示ルールが定められています。実は「果汁のしずく」「スライス」は果汁100%のみ使用可能なのです。
これは絞った果汁だけが商品の中に含まれている、というイメージを消費者に与える可能性があるためこうなっています。
ただし、無色透明な水滴など「果汁」に該当しないしずくの表現であれば、果汁100%以外の果実飲料でも使用できます。また「さのう」と言われる果実の粒の部分の表現ですが、果粒入り飲料(いわゆるつぶ入りジュース)なら果汁100%以外でも使用可能と、柔軟な部分もあります。
また、果実の地肌感、立体感を出したリアルな絵やイラストは、果汁5~100%の果実飲料で使用可能です。ただリアルではない「図案化した絵」であれば果汁の含有割合が5%未満の商品でも、パッケージの画像やイラストに使うことができます。
果実飲料で使用不可な表現
・絞ったままの果汁のみを使用していると誤解を与える表示
(例:純正、純粋、ピュア、生、自然、フレッシュ など)
・病気治療等の効能を表す表示
(例:飲むと高血圧が改善されます)
・競合の商品よりもはるかに優れていると誤解を与える表示
(例:特選、高級、デラックス、スペシャル など)
・100%を超える果汁の使用表現
(例:1.3倍、130%など)
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
果汁についての正しい表示方法についてご説明いたしました。
果汁表示についてかなり細かく定められていることに驚かれた人も多いのではないでしょうか。基本的に誤解を生む可能性がある表現は使用できないので、気を付けるようにしましょう。