食物アレルギーは、特定の食物を摂取すると、免疫システムが過剰に反応することです。食物アレルギーの患者数は増加傾向。そのため、加工食品にはアレルギー表示が義務付けられています。しかし飲食店等には表示が義務付けられていません。ただ、中にはアナフィラキシーという重い症状があらわれることもあるので、飲食店関係者も食物アレルギーについて知っておくことは必要といえます。
今回は、食物アレルギーについて解説していきます。
食物アレルギーとは?
摂取した食物が原因で、免疫のシステムが体を守るために過剰な反応を起こすことで、じん麻疹や湿疹、下痢などの症状が起こることを食物アレルギーといいます。
アレルギーは過敏症と訳されます。これは免疫反応の一つ。私たちの体にとっての異物を排出するためのメカニズムなのです。
つまりアレルギーを起こす対象ですが、人間以外の動植物由来の蛋白質がほとんどなのです。
飲食店など外食は、現在アレルゲン情報の提供は義務付けられていません。
消費者庁の外食等におけるアレルゲン情報の提供の在り方検討会は、「アレルギー表示が義務付けられ正確な表示がなされれば、患者にとって選択肢が広がると考えられる一方、外食等の業態の特性を踏まえると、全ての外食等事業者が対応可能な形で、正確な表示が担保されることは困難と考えられることから、表示の義務化については慎重に考える必要がある」となっており、「外食等事業者が正しい知識・理解に基づく、事業者の規模・業態等に応じた、アレルゲン情報の自主的な情報提供の促進を進めていく必要がある」としています。
即時型のアレルギー反応
これは生体内の蛋白質が介在して起こるものです。免疫の反応の違いにより、卵のアレルギーを持つ人、牛乳のアレルギーを持つ人を決める要因の一つとなります。
食物アレルギーは、摂取した食物が抗原性を残したまま腸から吸収されると、血液を介し皮膚、気管支粘膜、鼻粘膜、結膜などに到達してアレルギー反応が起きます。即時型は食物を摂取した直後から2時間以内にアレルギー反応が起きることがほとんどです。
非即時型(遅発型、遅延型)
こちらはまだしっかりと解明されておりませんが、T細胞というリンパ球の反応ではないかと考えられています。即時型とは違い、食物を摂取してから数時間後に湿疹や掻痒などの皮膚症状が認められます。
アレルギーの原因となる抗原
食物アレルギーは年齢に限定されるものではなく、小児から成人まで認められます。しかし大部分は乳児期に発症します。実は小児期に年齢とともに寛解していくケースが殆どなのです。小児型の食物アレルギーですが、1才前後に最も多く認められます。抗原としては卵、牛乳、小麦、大豆が主要なアレルゲンとなっています。
小児型は大部分の症例で、年月の差はありますが自然に良くなります。1歳時に食物アレルギーと診断されても9割は、小学校入学時までには自然寛解すると考えられます。しかし残りの1割は一生卵が食べられない、牛乳が飲めないという人も出てきます。
これに対し、成人型食物アレルギーは、魚類、エビ、カニ、果物などが多いのです。それでいて耐性を獲得していくことが少ないと考えられています。
特定原材料義務表示は7品目
上記の中で特に発症数、重篤度から勘案し、表示する必要性の高いものです。えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生がそうです。
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まとめ
食物アレルギーについて解説しました。
最近では、メニューの食物アレルギー情報を公開している飲食店もあります。
飲食店が完璧にアレルギー対策を行うのは難しいですが、食物アレルギーについての正しい知識だけは持っておくことが求められるでしょう。