飲食店のメニューや看板に並ぶ何気ない料理写真。これらは大抵プロの写真家が撮影したものになります。試しに同じ画角で写真を撮影してみればわかりますが、専用の機材がないととても同じような色合いには仕上がりません。
通常、飲食店の写真はプロの写真家が撮影しますが例外もあります。季節ごとに作成するPOPや壁に貼る簡単なおすすめメニュー紹介などは手作りで作成する飲食店も多いです。
突然店長からPOP作りを頼まれることもあります。ここではそのようなときに困らないように、簡単に料理写真を綺麗に撮るコツをご説明します。
使用するカメラについて
写真撮影にとって最も重要な機材はカメラ本体です。基本的にカメラの性能はカメラ内部にある撮像素子というセンサーの大きさによって決まります。センサーが大きいほど高画質で暗所に強く、高機能な傾向があります。一般的に入手しやすいカメラの中で最もセンサーサイズが大きいのは「フルサイズ」機です。今後も継続的に写真撮影の機会がある場合はこちらの機種の購入を考えても良いでしょう。
しかし、撮影が数回あるかないかという場合はカメラの購入は現実的ではありません。その場合はスマートフォンのカメラ機能を使いましょう。最近のスマートフォンは高画質化が進んでおり、印刷にも耐えうる写真の撮影が可能です。後述する照明などに気を遣うだけでプロ顔負けの写真に仕上がります。
照明
初心者とプロの撮影で最も顕著な差が出るのが照明です。ライティングが上手だと低価格のカメラでも素敵な写真を撮ることが可能です。
プロの現場のように本格的な照明をそろえなくても、小型のライティングセット、もしくは自然光で料理写真をきれいに撮影できます。自然光で撮影するときは、室内なら晴れた日の窓辺で直射日光が当たらない場所、屋外なら薄曇りの日を選んでください。室内の照明器具やカメラのフラッシュは使いません。
自然光では暗いのではと思うかもしれませんが、実際はその逆で自然光より優れている照明はありません。晴天の昼間の太陽光は100,000ルクスと言われていますが、デパートの売り場などの明るさでもせいぜい1,000ルクスです。
自然光できれいな写真を撮るコツとしては影を作らないことに尽きます。料理全体に光が当たるように工夫しましょう。レフ板代わりに白い紙を使うのもおすすめです。
ピント、手ブレ
意外と軽視しがちなのは手ブレです。料理にきちんとピントを合わせたあとはカメラをがっちりホールドし、シャッターを押しましょう。こうすることで手ブレを防ぐことができます。撮影した写真を拡大すると、焦点がしっかり合っているか容易に確認することができます。
盛り付け
POP用に撮影するときは、いつも提供する状態よりも少し高さを出して撮影したほうが写真映えするでしょう。
天ぷらなど倒れやすい料理の場合は透明なクリップや板、爪楊枝などを支えとして裏側に使い、高さを出すなど工夫します。
また案外見落としがちなのは皿の汚れです。ソースの拭き残しや天ぷらカスなどが写真内に写ってしまうことがよくあります。これらは撮影中はそれほど気にならないのですが、印刷すると非常に目立ちます。
仕上がりを想像しながら、いつもより気を配りましょう。
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まとめ
料理写真を綺麗に撮るコツをご紹介しました。
写真撮影で一発勝負は厳禁、入念な下準備が不可欠です。可能ならば撮影数日前にまったく同じ環境を用意し、練習したあとで本番に臨みましょう。