飲食人として働くスタッフの一員として、お店のことをより詳しく知る事はとても大事です。
経営者目線を持つことが出来れば他のスタッフよりも多くの問題点を見つける事ができ、その問題を解消した時には大きな自信となり、自分の将来進みたい方向性を見極めることも出来ます。
今日はその目線の1つとしてとても大事なビジネスモデルの違いをご説明致します。
皆さんは「フランチャイズ」と「のれん分け」について、違いを知っていますか?
のれん分けとは
日本ではこの「のれん分け」という文化が古くからあり、感覚的に理解しやすい事から先に「のれん分け」の方を説明致します。
あるお店で働き、そのお店の権利者から認められ、独立を許され、元のお店の商標・屋号を名乗っても良い、と許可を得る事で独立したお店を運営できるものが「のれん分け」です。
この場合、元のお店とは「師弟店」という関係となり、自分以外にも認められた弟子のお店が他にあるならそのお店とは「兄弟・姉妹店」という扱いになります。
このシステムをしている有名な飲食店と言えば「ラーメン二郎」さんでしょうか。
特徴的なメリット・デメリットは下記になります。
■メリット
・独立開店してすぐの状態から元のお店の商標・屋号の影響を受けられる
・修行元の店舗との資本関係は基本的にない(特定の仕入れなどは別)
■デメリット
・元のお店で長期間の修行が必要
・修行店のノウハウは店主しか持っていない
・複数店舗の運営は基本的に難しい
フランチャイズとは
では次に「フランチャイズ」とは何かと言いますと、これは「明確な契約」によって、ある特定の商標・屋号を使用してお店を経営してもよい、というものです。
このシステムをしている有名な飲食店と言えばお弁当屋さんの「ほっともっと」さんです。
これは単なる使用契約になりますので、例えば「本店での数年の修行期間」といったものはありません。
当然ながらそれでは運営のノウハウが全くありませんし、好き勝手にやられてしまうと元の商標・屋号のイメージダウンにもなってしまいますので、お店の内装・広告から、材料の仕入れ、調理法、提供方法など基本的に運営上の全てにおいて「本部の指示」と「マニュアル」が定められており、その指示通りの運営をしないといけません。
特徴的なメリット・デメリットは下記になります。
■メリット
・独立開店してすぐの状態から元のお店の商標・屋号の影響を受けられる
・本店修行などの期間が無く、ノウハウやスキルを全く持っていなくても運営が出来る
・1人で何店舗も運営が出来る
■デメリット
・本部へ必要経費やロイヤリティを支払って残った額が収入となる
・契約上のノルマ未達成などの要因によって契約が打ち切られる可能性がある
「のれん分け」から「フランチャイズ」への変化
過去の日本ではお店のノウハウを学んで「スタッフの誰かが跡を継ぐ」か「のれん分けで独立する」かが主流でしたが、それでは展開速度がどうしても遅くなりますし、不慮の事故などによってノウハウが途絶えてしまうといった現象もあり、日本全国規模のチェーン展開で「どのお店に行っても同じ味」などのブランドの統一性の保持が非常に難しいという問題が出たところで、アメリカからそれを解決する「フランチャイズ」という仕組みが浸透していきました。
「同じものを使って」「マニュアル化された調理」によって、「誰でも」「同じものを提供」出来るようにする仕組みが「フランチャイズ」という仕組みなのです。
「ノウハウを個人が持たない」事と「1人でも多店舗展開が出来る」という点が大きな違いとなっています。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
「フランチャイズ」と「のれん分け」の違いについてご説明致しました。今働いているお店がどのような形態なのか知らないと、今後自分が進みたい方向性が狭まってしまう事があります、特に将来独立を希望している方はこの点を注意しましょう。