食材の値上がりが止まりません。これは日本単独の問題ではなく、世界的な傾向ですのでしばらく長引くとみて間違いないでしょう。
原因は複数ありますが、資源価格の高騰とインフレが主な原因と言われています。
今後、飲食店が生き残るためにはこの相次ぐ値上げラッシュに耐える企業努力が欠かせません。飲食店で原価率を抑えるためにはどのような方法があるのでしょうか。
今回はこちらについてご紹介致します。
食材の値上がりの原因
食材価格の値上がりは世界的な傾向と言われています。なぜこのような事態を招くことになったのでしょうか。
大きな原因の一つが2022年2月24日から始まり今もつづいているロシア・ウクライナ戦争の長期化です。
世界第1位の天然ガス埋蔵量を誇る資源国ロシアと、「ヨーロッパのパンかご」と呼ばれるほどの小麦の大産地であるウクライナ。この二か国の争いを発端に、世界の物流は停滞。資源そして、食材の価格高騰が起こりました。
またこれに更に拍車をかけたのが米国発の異次元の金融緩和です。アメリカでは金余り現象が起き、一種のバブルになりました。お金が過度に流出したため米国は極度のインフレに。モノの値段が上がりました。アメリカのビッグマックは何と日本の2倍以上に。全てが値上がりし、現地では時給も日本の倍以上です。
これを引き締めるために米連邦準備制度理事会(FRB)が大幅な利上げを行い、インフレの終息を図っています。金利があがると、ローンの支払いも増えます。これにより消費が減退するという構図ですが、まだ明確な効果は出ておらず、インフレの終息には至っていません。
このインフレが日本にも波及しているのが現状です。
飲食店における「原価」
原価は、商品を作るために必要な費用です。飲食店における原価は売上原価を指します。つまり食材費にあたります。原価率は、食材比率やフードコストとも言われます。飲食店の原価率は25~30%程度が理想と言われています。
以下がラーメン店の例となります。
ラーメン650円の原価率の例
麺 60円
スープ 60円
チャーシュー 40円、煮卵 20円、メンマ 10円、ネギ 5円、ノリ 5円
原価率=(60+60+40+20+10+5+5+)÷650×100=約30.8%
原価200円、原価率は約30.8%
原価率を抑える方法
価格を見直す
原価率の高いメニューばかり注文されていないか確認しましょう。相場より安く仕入れられる食材があるならそれを使ったメニューを積極的に売りだします。売れていないメニューは削除しましょう。
仕入価格は値下げの交渉も必要です。店が軌道にのってきたら数社から相見積もりをとりましょう。仕入れ先を変更するのもありです。仕入卸からではなく市場・生産者等より直接仕入れすることも検討しましょう。
食材の廃棄を減らす
仕込みの量を調整し、無駄を出さないようにしましょう。
廃棄ロスを防ぐためには、冷凍食品の利用もおすすめです。保存期間を延ばせるからです。肉や魚を冷蔵から冷凍へ切り替えるだけで、フードロス率が大幅に下がります。
在庫管理の見直し
在庫管理を徹底することも大事です。重複注文や発注漏れを防ぎましょう。某自動車メーカーのジャストインタイムのように、適正な在庫を保つことを目指します。
食材は、古い食材から使用する、先入れ先出しの徹底が基本です。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
飲食店の原価率を抑える方法をご紹介致しました。
このご時世で原価率を下げるのは並大抵のことではありません。しかし、光熱費も大きく値上がりする昨今、ライバル店より原価率を抑えることが生き残りの秘策となりうるのです。