バーテンダーといえばお客様の視線をスポットライトのように一身に集め、華麗にシェークする姿が印象的です。未経験者の方からみれば華のある職業と思われがちですが、一流のバーテンダーの仕事ぶりを見ても、その大半の作業は意外と地味です。
しかしこの地味に思われる作業の積み重ねが最も大切。一流とされる人はそのほとんどが基礎をおろそかにしません。基礎からテクニックを磨いてきたからこそ、多くの人の印象に残るような華のある技が繰り出せることは言うまでもありません。
バーテンダーにとって欠かすことのできない基本中の基本といえば「ステア」です。今回はこのバーテンダーの基本技法ステアについて、分かりやすくご説明致します。
ステアとは
材料と氷をミキシング・グラスに入れ、バー・スプーンで手早くかき混ぜる技法。混ぜ合わせる酒の比重があまり違わないとき、また、シェ-クするとカクテルが濁ったり、味がまるくなってドライな風味が得られない場合に用いる。
出典 https://www.suntory.co.jp/wnb/dictionary/technique/index.html
ステアはバースプーンでカクテルをかき混ぜる動作のことを言います。また、ミキシンググラスの中でお酒を合わせるカクテル技法を指す意味もあります。
一見簡単な動作に思えますが、プロのステアは非常に芸術的でお客様を魅了します。もちろん味もよりまろやかになり、素人が見よう見まねでかき混ぜるものとは歴然とした差が感じられます。
バースプーンの扱い方
バースプーンの回し方にもコツがあります。基本は振り子のようなイメージでスプーンを回します。親指と人差し指の部分を支点とし、これらをグラスの中心に据えましょう。
回すときには、中指と薬指でスプーンを前後に動かすイメージを持ちます。親指と人差し指の部分は軽くつまむことも大切です。カチャカチャと音を立てないようにすることも常に意識し回すこともポイントです。
ステアの練習方法
ステアの練習はバースプーンとタンブラーさえあれば、だれでも気軽に行うことができます。まずタンブラーに水を6~7割ほど入れます。素早く動かしたときに、渦巻きが一定の形状で出来ればOKです。
慣れてきたらここに氷を入れて、フォームを崩さずに出来るか試してみましょう。すぐには出来ないかもしれませんが、繰り返せばそれなりに形にはなると思われます。綺麗に、素早く、一定のスピードで動かし続けるためにはそれなりの修練が必要です。
バースプーンの形状について
バースプーンは様々な形状や長さがありますが、一般的に30cm前後が標準的な長さで使いやすいとされています。それよりも長いと見た目のインパクトは大きいのですが、初心者には扱いが難しいとされています。またミニタイプは、小回りが利きやすいのですが、深いグラスには不向きです。
形状は、スプーンの反対側がフォークの形状をしているのが標準的です。フォークはレモンやライムなどの果実を搾ったり、瓶のオリーブを取り出したりできます。他にも、フォークではなく、マッシャーが付いているタイプなど、さまざまな種類があります。
バースプーンの柄の部分はらせん状にねじれ、右巻きと左巻きの2種類が存在します。右利きなら右巻き、左利きなら左巻きのねじれのものを選びましょう。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
バーテンダーの基本技法「ステア」についてご説明致しました。
ステアはバーテンダーの基本ですが、同時に多くの場面で求められる大事なテクニックです。バーテンダーに転職希望の方は、早めに練習しておくと良いでしょう。