2022年3月、為替は1ドル=125円を突破し、大きなニュースになりました。しかし、今現在のドル円はこれを大きく下回っています。なんと11月17日時点で為替は1ドル=139円代です。
歴史的に見ても急速に円安が続いており、国民生活や飲食店経営にも大きな影響を及ぼしています。
しかし、少々仕組みが複雑なうえ義務教育でもあまり説明しないので、「円安とは何なのか」と思っている方も少なくないと思われます。
今回は円安の仕組みと飲食店経営に及ぼす影響について分かりやすくご説明致します。
円安とは
例えば、日本人が旅先のハワイで買い物をするため、手元にある1万円をドルに両替するとします。為替相場が1ドル=100円であれば、1万を100で割った100ドルになります。しかし、もし為替相場が1ドル=80円であれば、1万を80で割った125ドルになり、また、1ドル=125円であれば、1万を125で割った80ドルになります。これらを比べると、1ドル=80円の場合は、1ドル=100円の場合と比べて、同じ金額の円についてより多くのドルを取得できるので、円高ということになります。逆に、1ドル=125円の場合は、1ドル=100円の場合と比べて、同じ金額の円についてより少ないドルしか取得できないので、円安ということになります。
出典 https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/intl/g18.htm/
円安は客離れの原因
簡単にご説明すると、円安が進行することで海外のものが高くなります。例えば、アメリカから輸入する牛肉が値上がりしいつもの値段で買えなくなります。
海外から食材を多く輸入している飲食店の場合は、円安になればなるほどコストが上がることになります。
原材料コストが上がると必然的に料理のメニュー価格も上げないと割に合わなくなります。結果、多くのメニューの値上げに繋がってしまい、客離れの原因になり得ます。
また全品国産食品というお店であっても決して他人事ではありません。国産牛、豚などの飼料の多くは輸入品です。飼育コストの上昇に繋がり、やはり値上げは避けられなくなります。
円安が及ぼす飲食店経営への影響
これはずばり人材不足です。
外国人を雇う場合、多くの労働者は出稼ぎなので、給料をドルなどの外貨に換え、自国に送金します。これが、円安だと両替の段階で仕送り額が減少することになります。給料の総額は変わっていないのにです。
このため、優秀な人材は日本への出稼ぎを敬遠し、別の国に行く流れができてしまいます。同じ理由でせっかく定着していた外国人労働者の流出にも繋がります。
影響は日本人にも及びます。円安が進むと同じ労働でも海外で仕事をしたほうが実入りがいいということが起こります。
手塩にかけて育てた優秀な日本人シェフが、海外流出する可能性もあるのです。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
円安の仕組みと飲食店経営に及ぼす影響についてご説明しました。
円安は飲食店経営に大きな影響を与える可能性があるということが分かって頂けたかと思います。
為替は日々変動します。大きなニュースが出るとなんと7円くらいは上下したりします。この値動きを事前に予測できたら対策も立てられるものなのですが、現状為替の値動きを予想する方法はありません。
円安、円高、どちらに振れても大きく損をしないような対策を考えるのが賢明でしょう。