お客さまにお辞儀をしたときや椅子から立ち上がる時、中華鍋を豪快に振るっているとき。腰にビリッと痛みが走ることはありませんか。
腰痛は日本の国民病とも言われています。日本整形外科学会によると、日本全国に腰痛で悩まされている人は3,000万人いると推計されているそうです。
腰は体全体を支え、足の筋肉や骨と連携しており様々な動作を行うときの重要な役割を果たしています。
飲食店で働く方の中にも、辛い腰痛に耐えながら日々業務に励んでいる方も多いと思われます。腰痛の痛みを少しでも和らげるにはどうすればよいか―。
今回は腰痛に悩む方が少しでも楽な状態でいきいき働けるように、腰痛予防や対策についてご紹介します。
腰痛とは
腰痛は病名ではなく体に表れる症状の名前です。腰そのものに問題がある場合だけでなく、職業、生活習慣、ストレスなどの要因が複雑に絡んでいるため、自分の生活をかえりみることが腰痛の原因を知るための第一歩となります。病気やけがによる自覚症状の調査では男性1位、女性の2位が腰痛となっており※、誰もが経験しうる身近な症状です。
※厚生労働省 平成28年国民生活基礎調査の概況
腰痛の約85%は原因不明長時間中腰や猫背などの姿勢を続け、腰や背中の筋肉が緊張し続けたときや、運動不足で腰を支える筋力が弱っているときなどに起こります。 寒さで筋肉が硬直する冬も神経が刺激されて痛みが起こりやすくなります。
出典 https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/symptom/26_youtsu/
腰痛というと腰の骨に何か異常がある場合ももちろんございますが、レントゲン等では分からない腰痛に悩まされる方が多いです。
15%程度は原因を特定できる「特異的腰痛」です。代表的な病気としては椎間板ヘルニア、高齢者に多い腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症などです。
腰痛の予防
腰痛は日頃の姿勢や生活習慣による体のゆがみも大きく関与しています。
長時間同じ姿勢を続けることを避ける、無理に体をひねらない、重すぎるものを持たない、猫背にならない等に注意します。座るときに足を組むということも体のゆがみに繋がるので、避けたほうが良いでしょう。
腰痛の痛みを緩和する方法
ここでは85%と言われている原因不明の腰痛の緩和方法をご説明します。
腰を支える筋肉の衰えや体重の増加、長年の悪い姿勢や不自然で無理のある動作などで、慢性的な痛みとなってしまっている方が多いです。
簡単にできるものとしては座ったままの前屈がおすすめです。
浅めに椅子に座り、片方の膝を伸ばした状態にしましょう。もう片方は膝を直角に曲げたままにします。この状態で前屈をします。脚を左右入れ変えて各10秒行います。
このストレッチを行うことで、強張った腸腰筋(背中から太ももの付け根にかけて通る筋肉)をほぐすことができます。
立位で行う場合はアキレス腱を伸ばすときのように足を前後に開き、半分ひざまずいた状態にします。この状態で骨盤を前面に出すように腰を入れましょう。このとき手は膝に当て、背中をまっすぐ伸ばします。
腸腰筋の強張りはぎっくり腰の原因になる
筋肉に大きな力がかかると一気に限度まで収縮してしまい、「こむらがえり」現象が起きます。これが腸腰筋に起きると、痛くて腰が伸ばせず、股関節も折り曲げたままの姿勢で固まる「ぎっくり腰」になります。
ぎっくり腰は急性の腰痛で非特異的腰痛です。急に無理な動作をしたときなどに起こる腰の組織のけがですが、厳密にどの部分が傷んでいるのかを断定するのは難しいと言われています。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
飲食スタッフ、調理師必見の腰痛予防と対策についてご説明しました。
腰痛の症状は十人十色です。ストレッチの効果を感じなかったり、痛みが継続するようなら、早めに医療機関を受診するようにしましょう。