今や日本の家庭料理の一つとしてしっかり根付いたイタリアン。その中でも最も親しまれている食材はパスタでしょう。
パスタは本場のイタリアではもちろん、全世界で人気です。
日本パスタ協会によると、パスタの主な国別消費量(年間)では、イタリアが25.3キロで断トツのトップ。チュニジア、ベネズエラ、ギリシャといった国が上位に名を連ねています。日本は2.2キロですが、パスタの国内への供給量は右肩上がりで伸びており、2020年には過去最多の32.7万トンを記録。多くの人に親しまれていることがわかります。
今回はパスタの種類と歴史について、ご説明します。
パスタとは
パスタは、小麦粉と水で作られた食品のこと。イタリア語で「麺類」の意味を持ち、イタリア料理で小麦粉を練って作られた食品を全てパスタと呼びます。さまざまな形があり、その数650種類以上ともいわれています。
私たちがよく食べているスパゲッティやマカロニもパスタの一種です。細いひも状のパスタがスパゲッティです。マカロニはショートパスタに分類されます。
パスタの歴史
パスタの誕生については諸説ありますが、古代ローマ時代に食べられていたという、小麦などの穀物を粥状に煮込んだ「プルス」が起源ではないかといわれています。
現代のようにソースとからめて食べるパスタ料理がイタリアに普及しはじめたのは、トマトとの出会いがきっかけでした。16世紀の大航海時代、新大陸から観賞用として持ち込まれたトマトは、その後食用に改良され、17世紀頃からナポリ地方を中心に栽培が盛んになりました。それに伴い、パスタとトマトの組み合わせのおいしさに気づいたイタリア国民の間で広く普及したのです。
パスタの発祥は、1000年以上前の古代ローマ時代まで遡ります。
当時のパスタは、小麦粉と水で練って焼いたものを切って食べていたようです。12世紀には乾燥パスタの大規模な製造がシチリアで行われていました。
日本で初めてパスタが作られたのは明治16年(1883年)頃と言われています。フランス人宣教師マリク・マリ・ド・ロ神父が、長崎県長崎市外海町にマカロニ工場を建設し、製造したのが最初のようです。
パスタの主な種類
ロングパスタ
長さ25cm前後のパスタはロングパスタに分類されます。名称は太さにより変わります。スパゲッティは太さが2mm程度のパスタ。使い勝手が良く、様々なソースに合います。
断面が横長の長方形のようになっており、太さが約7mmのフェットチーネ、太さ約3mmのリングイネは、ほかのロングパスタに比べると、弾力があり、モチモチの食感が楽しめます。クリームソースのような濃厚なソースとの相性抜群です。
太さが1.6~1.7mmのパスタはスパゲッティーニと呼ばれ、オイル系のソースに適しています。1.0~1.1mmのパスタはカペリーニ。冷製のパスタに使われることが多いです。
ショートパスタ
ショートパスタは文字通り、ロングパスタに対して短くカットしたパスタのことです。種類が多く、形状を楽しむパスタでもあります。
直径3~5mmの円筒状の形をしたマッケローニ(マカロニ)がおなじみでしょう。グラタンやサラダによく用いられています。
直径8~15mmの、リガトーニは筋が縦に入っており、トマトソースやクリームソースとの相性抜群です。直径20~30mmのマニケは筒の中に肉などを詰めて調理します。
また円筒状のショートパスタの両端をペン先のように斜めにカットしたペンネ、貝の形が特徴的なシェルも使い勝手のよいパスタとして、日本人にもおなじみです。
ニョッキ
丸い形状で、もっちりした食感が楽しめる小麦粉とジャガイモで作られたパスタの一種です。ほうれん草、チーズ、かぼちゃなどを混ぜて作ることもあります。
ニョッキには爽やかな酸味のあるトマト系ソースが王道で、優しい甘みがするニョッキとの相性は抜群です。
ラザーニェ
日本ではラザニアという名前で知られています。平たい形が特徴です。チーズとソースを何層か重ねた料理の名前としての認識だと思われますが、これは実はイタリアでも同じです。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
パスタの種類と歴史についてご説明しました。ここで紹介したのはほんの一部です。
イタリア料理店への就職・転職を目指す方は必須知識ですが、これを機会に他分野の飲食店の方が学びを深めてみるのも面白いかもしれません。