飲食店関係者が夏場、最も警戒しているものが食中毒です。
食中毒の疑いがある場合は、保健所から連絡があり、厨房のふき取り調査や手の細菌検査、検便などが行われます。 もし、店舗が原因の食中毒だと正式に認定されると、営業停止処分を受けることになります。また夕方のニュースでも取り上げられることとなり、経営へのダメージは計り知れません。
さらに、行政から処分を受けるだけでなく、被害を受けたお客様から損害賠償請求をされてしまうことも考えられます。飲食代金と医療費は飲食店側が負担をする、ということが法律で決まっており、医療費実費、通院交通費、見舞金などで、合計1人あたり3万円~5万円になるケースも。宴会時に発生した場合は賠償金額だけで数十万円になります。
今回は飲食店関係者全員が知っておくべき、夏場の食中毒対策のポイントをご説明します。これから飲食店へ就職・転職を考えている方も必見です。
原因はウイルスと細菌
ウイルスによる食中毒は冬に流行します。原因のほとんどはカキを含む2枚貝を起因とするノロウイルスです。
しかし、細菌による食中毒は、気温が高く細菌が育ちやすい6月~9月頃に起こります。まさに今の時期に増加するので、早めの対策が必要です。
飲食店で発生した主な食中毒
- 前日に調理したカレーを常温放置して、翌日に提供したことによる食中毒(ウェルシュ菌)
- 鶏の刺身による食中毒(カンピロバクター)
- 鶏のたたきを含む食事による食中毒(カンピロバクター)
- 調理提供された宴会料理(前菜、焼魚、刺身、生カキなど)による食中毒(ノロウイルス)
- カツオの刺身による食中毒(アニサキス)
出典 https://pro.kao.com/jp/
原因としては「刺身以外は常温で置いておいても問題がないだろう」「先日仕入れた生ガキが余ってしまったから売り切ろう」という店舗側の意識の低さや、食材の不適切な取扱いが問題となっていることが分かります。
ここから分かるのは、正しい知識を持ち対応すれば、食中毒は未然に防げるということです。
夏の食中毒対策
食中毒は、その原因となる細菌やウイルスが食べ物に付着し、体内へ侵入することによって発生します。体調管理、調理器具の消毒などを徹底しましょう。テイクアウトやデリバリーを行っている場合に適したメニューなのか見直す必要もあります。冷蔵が必要な食材の常温放置にも気をつけましょう。夏は直射日光のある場所に置くと、食材が思った以上に傷むことがあり注意が必要です。
菌をつけない
まずは食中毒対策の基本、手洗いの徹底です。それから、スポンジ・ふきんのアルコール消毒、まな板を肉と野菜で分けます。鍋物の時のトングや箸も分けるようにしましょう。
菌を増やさない
細菌のはたらきが活発になる温度は20~50度、特に体温に近い35~40度のときは要注意です。調理した後は粗熱をとって冷蔵庫に保存。出来上がった料理を常温で放置しない。温かい料理は10℃以下まで速やかに冷まし、再加熱してから提供しましょう。
細菌のほとんどは加熱することで消滅します。目安として、中心部が75度で1分以上加熱と言われています。
注意喚起
スタッフの間で注意喚起を共有することも大事です。「これは常温では放置しないでください」など具体的に口頭でコミュニケーションをとることも大切です。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
飲食店関係者が夏に注意すべき食中毒対策をご説明しました。食中毒は予防することで防ぐことが出来ます。一人一人が意識し、店舗全体で予防を徹底することが大事です。