「いつかはパティシエとして独立し成功したい―」という夢を抱き、パティシエ修行に勤しんでいる人の中には“海外で修行しなければならない”というイメージを早い段階から持っている方もいるのではないでしょうか。
確かに日本国内でも海外経験のあるパティシエは昔に比べて増えています。一流のパティシエを目指すには海外での修業が欠かせないのでしょうか。
海外修行の必要性や注意点等についてご説明致します。
パティシエは海外修行は必須?
パティシエは海外修行必須なのでしょうか。これは必ずしも必須とは言えないと思われます。海外修行が、本場のお菓子文化を知る絶好のチャンスになることは間違いありません。ただし、そもそも自分のモチベーションが高くなければ、多額の費用を無駄にする可能性もあります。
また人によりますが、海外の水に馴染めないという方もいるため、海外に行けば何もかもうまくいくわけではありません。
最近は、インターネットが整備され、様々な情報が一瞬で手に入るようになりました。SNSの発展もあり、使い方次第では国内にいながら、海外の最新情報を入手することも不可能ではないのです。
「国内」と「海外」の大きな違い
海外修行の最も大きなメリットは、本場で学ぶことで、巨匠の技や仕事ぶりを肌で感じられることです。チョコレートや洋菓子で有名なフランス、ベルギーなどで修業をすれば幅広い知識や技術の習得をアピールできます。
国内修行の大きなメリットは慣れ親しんだ環境で集中して技能を深めることができることです。また同じチョコでも日本と海外では味が違いますが、日本人向けに好みを分析してお菓子を作るのであれば、国内で修行をした方が何かと有利です。
海外修行で注意すべきこと
語学力
日本人にとって最もハードルが高いのが語学力でしょう。言語はもちろん修行先のものを習得しなければなりません。例えばパティシエの本場・フランスで修行するのであれば、フランス語を日常会話できるレベルまでは学習する必要があるでしょう。
もちろん、実際に現場に行くと、菓子作りに関する専門用語も飛び交い、日常会話レベルではまったく聞き取れません。しかし、言語を完璧にマスターするというのは難しく、膨大な時間を必要とします。現地に行かなければ分からないことも多々あるので、ある程度のレベルまで行けていれば難しく考えすぎないことも大事です。
飛び込みはNG
最近は紹介が必要な店が増えてきており、現地のお店に飛び込みで働かせてもらうのは至難の業です。日本の菓子店も書類審査の後、面接等を経て採用するパターンがほとんどですので、イメージは持ちやすいと思われます。
飛び込みは余程パティシエとしての実績や人脈がないと相当に難しいです。
まずは、日本国内のお店でキャリアを積み、海外での修行経験があるオーナーや、パティシエ間の知り合いのツテで現地のお店を紹介してもらいましょう。
労働ビザの取得について
最近の国際情勢の変化により、留学先として人気のヨーロッパでも、高失業率の国が増えています。労働ビザを持たない外国人の不法就労に対して、厳しい取り締まりが行われているのが現状です。
ビザがないと住む部屋も確保できません。あらかじめ日本で働くお店を決めてから、きちんと労働ビザを取得し、出国しましょう。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
パティシエの国内修行と海外修行の違いについてご説明しました。巨匠から学ぶことができるのが海外修行の最大のメリットですが、国内の巨匠などから学ぶメリットも大きく、簡単に甲乙つけることはできません。
自分の語学力や技量が足りているか、現地の空気に馴染めるかなどを鑑み、慎重に決断しましょう。