日本人がイメージするお洒落な料理の代表格といえばフレンチ(フランス料理)です。世界三大料理の1つにも数えられるフレンチは中世の頃からその原型があったとされるなど非常に歴史が古いだけではなく、その種類も豊富です。
オードブル、デザート、小麦料理からワインまで、たくさんのメニューがありますが、食材が生産される地域によっても味が違うなど地方色が濃い料理としても知られています。
今回はフランスの地域ごとの料理の特徴をご紹介致します。
フランス北部
首都・パリや修道院・モンサンミッシェルがそびえ立つ、ノルマンディ、フランス屈指のリゾート地のあるブルターニュ等があります。
ブルターニュは、海に面しており、海産物が豊富に獲れます。牡蠣、ムール貝といったフランス料理の定番食材から、イワシ、サバといった日本人に親しまれている魚を使った料理もありす。内陸は酪農が盛んで、特産である「ゲランドの塩」を入れた有塩バターを使った焼き菓子も知られています。
ノルマンディーは子羊の肉が名物です。りんごの産地でもあり、りんご、バター、生クリームを使った料理が特徴です。
パリには各地域のさまざまな料理が集まります。シュー生地を茹でて、ベシャメル(ホワイトソース)をかけてグラタン仕立てにしたパリ風ニョッキや、オニオングラタン、マカロンがよく知られています。
フランス東部
ドイツと国境を接しているフランス東部。加工肉、川魚、チーズを使った料理が多いアルザス地方は、ドイツ領だった時代もあるため町や文化にもドイツの影響が見られます。ロレーヌ地方の西に広がるシャンパーニュ地方は、シャンパンのふるさと。郷土料理は煮込み料理やグリルなどシンプルなものが多く、川魚を赤ワインで煮たマトロート、ガトー・モレ、スパイスのきいた焼き菓子・パン・デビスなどが郷土料理です。
ブルゴーニュ地方は、ボルドーと並ぶフランス2大ワイン産地。ロマネ・コンティはブルゴーニュで生まれています。またエスカルゴ料理の本場です。二ンニクを効かせ、バターとエスカルゴを焼き上げたエスカルゴのブルゴーニュ風、小型のチーズ風味のシュー生地グジェールや、山羊乳のチーズ・マコネなどを味わえます。
フランス西部
大西洋岸に位置するフランス西部はロワール、ボルドー、オーヴェルニュ等があり、食通には嬉しいエリアです。ボルドーを中心に良質のワインの産地が広がるほか、カキなどの海の幸も豊富です。
バスク地方は、スペインの食文化の影響も強く、昔から畜産業が盛ん。またマカロン発祥の地でもあります。
カツオやマグロなどとジャガイモを煮込んだマルミタコ、トマト、ピーマン、タマネギなどをオリーブ油で炒めて煮るピペラード、鴨肉を低温のオイルでじっくり煮込む鴨のコンフィは現地で愛されている味です。
フランス南部
美しい景観が広がり多くの画家が愛したプロヴァンス、美しい地中海に面したコート・ダ・ジュール等。フランス南部は年間を通して温暖な気候が魅力です。
プロヴァンス地方はトマトやオリーブオイル、ハーブを多用した料理が多いです。地中海に面したマルセイユなど漁師町ではブイヤベースが有名。ニームからピレネー山脈にかけて地中海に面したラングドック・ルシヨンは、フランス国内生産の40%ほどのワインを生産しています。
肉類と白いんげん豆の煮込みのカスレ、マッシュポテトとチーズを合わせ少量のにんにくで香りづけしたアリゴ、 野菜をトマトと煮込んだ田舎風惣菜のラタトゥイユなどは観光客にも人気です。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
フランスの郷土料理をご紹介致しました。東部はドイツ、南部はスペイン等と隣国の文化も調理法に大きく影響しています。
地域ごとに使用する食材も違い、味付けも異なることから食への探求心があらわれており、世界各国の人々や調理師を虜にするのも頷けます。