フランス料理とイタリア料理は類似点が多いことで知られています。
その理由はフランス料理のルーツはイタリア料理にあるからです。フランス料理はもともと明確な作法やマナーは存在していなかったと言われています。大皿に雑多なメニューが並べられ、手づかみで食べていました。
しかし、16世紀にこれが変わりました。
メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスがフランス王・アンリ2世に嫁いだときです。イタリア料理人を引き連れてきたのがきっかけで、フレンチもイタリア料理の影響を大きく受け、マナーやナイフとフォークを使う食事作法が一般的になったと言われています。
しかし、その後どちらの料理も独自の発展を遂げたため、マナーについては異なる点が多々あります。
今回は「イタリアン」と「フレンチ」のマナーの違いについて解説致します。
フォークの使い方
イタリアンではフォークの背中に料理を乗せて食べますが、フレンチではフォークの背中を使うことはマナー違反になります。
また、イタリアンではフォークを右手に持ち替えることはマナー違反ですが、フレンチではフォークを右手に持ち替えることは、問題ないとされています。
スープの飲み方
イタリアンではスープを飲むときは、スプーンを手前から奥へ動かして運びます。またスープの量が少なくなったら皿の手前を浮かせるというマナーがあります。
フレンチでは逆でスープを飲むときは、スプーンを奥から手前に動かして運びます。スープの量が少なくなったら皿の奥を浮かせるというマナーがあります。
食べ終わったら
イタリアンでは食べ終わったら、ナイフとフォークを縦に並べるのがマナーです。フレンチでは3時の方向にナイフとフォークを横にして並べます。
また余談ですが”手づかみ”に関しては、イタリアンでは食べにくい料理は手づかみで食べても大丈夫とされています。しかし、フレンチでは手を使って食べるのはNGです。フレンチが元は手づかみだったことを考えると、現在の両料理のマナーの違いは、少し面白くもあります。
日本でのマナー
日本ではイタリアンはカジュアルというイメージがあります。しかし、フレンチレストランと同じく格式の高いイタリアンレストランだとマナーが求められます。そのようなお店にいく場合は事前にマナーをチェックしましょう。
フレンチとイタリアンの調理について
フレンチのルーツはイタリア料理だと前述しました。ただ現在は調理技法等でも明確な違いがあります。イタリアンが新鮮な素材を生かした料理、フレンチはソースや味付けを重視した料理です。
イタリアンという呼称はイタリア各地の郷土料理の総称です。使われる食材は地域によってさまざまで、例えばイタリア北部では、バターや生クリームを使用した料理が多く、イタリア南部では、オリーブオイルやトマトをたくさん使用するのが特徴です。
フレンチですが、当時のフランスは食材の流通が悪く、新鮮な素材が手に入りにくいという事情がありました。そのためフランス人はおいしく食べるために香り付けや、料理の技法を研究し、カバーしようとしたのです。フレンチでは手間をかけソースを作ります。
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まとめ
「イタリアン」と「フレンチ」のマナーの違いについて解説致しました。マナーにはフランス、イタリア両国の歴史も深く関わっており、詳しく調べるとより面白い発見がありそうです。
フレンチ、イタリアン関係の飲食求人に応募予定の方は、マナーの基本だけでもしっかり押さえておきましょう。