中国の湖北省武漢で、新型コロナウイルスの感染者が、最初に発症したとされる日から遂に3年目を迎えました。強毒性のデルタ株から弱毒性と言われているオミクロン株に置き換わるなど、状況は変化しましたが、依然として脅威であることには変わりありません。
この3年の間に飲食店は様々な新型コロナ対策を実施。各店が消毒液を常備したり、飛沫防止のためのアクリル板を設置するということは当たり前となりつつあります。この流れもあってか飲食店員だけでなく、お客様の衛生観念も変わりました。
しかし飲食店にとっては感染症だけでなく他にも脅威が存在します。それはノロウイルスなどの食中毒です。
食中毒対策と感染症対策はどのように両立すればいいのか。飲食店スタッフが特に注意しなければならないことは何か等について、ご説明致します。
コロナ禍の食中毒対策について
新型コロナウイルス感染症対策は、ほかの感染症の予防にもなります。マスク着用や手洗い習慣によって、昨年の夏は、子どもの三大夏風邪といわれる手足口病、ヘルバンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)が減り、冬にはインフルエンザが激減しました。その一方で、食中毒の発生は続いています。食中毒は、汚染された食事などを介して、菌やウイルスが口から入ることによって起こるからです。食中毒では、新型コロナ対策中だからこそ注意すべき点があります。
出典 https://www.med.or.jp/dl-med/people/plaza/543.pdf
厚労省の統計によると、コロナ禍前の平成30年の全国の食中毒の患者数は約1万6千人でしたが、最新のデータである令和2年には患者数約1万4千人と若干ながら減少しています。コロナ対策が食中毒対策に通ずる部分は間違いなくあるのですが、このデータを参考にすると、やはり食中毒の件数はコロナ禍でも多く、食中毒に特化した対策がより必要だということが分かります。
またノロウイルスは冬が流行のピークなので、飲食店としても衛生管理により気を付ける必要があります。
ノロウイルス、細菌感染について
冬は先述しましたが特にノロウイルスの被害が増えます。ノロウイルスの主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛。ウイルス性の食中毒です。非常に感染力が強く、少量のウイルスでも感染します。また厄介なことにアルコール消毒にも強いので、飲食店スタッフの手洗いを徹底することが大切です。さらに下痢やおう吐等の症状がある方は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。
その他の食中毒にも注意が必要です。カンピロバクターやサルモネラ菌、O-157に特に警戒しましょう。細菌感染を防ぐのに最も効果的なのは手洗いです。食中毒の被害が多い夏と冬はとりわけ意識的に行動しましょう。
飲食店に必要な食中毒対策
アルコール消毒などコロナ対策と同様の対策のほか、キッチンではまな板やダスターは閉店後に洗浄、殺菌後に乾かし、細菌が発生しないようにします。また冷蔵庫と油汚れの付く設備、排水溝なども定期的に清掃しましょう。
トイレ清掃も重要です。便器のほかドアの取っ手も細菌がつきやすい箇所なので、念入りに拭きましょう。
https://www.gourmetcaree.jp/kanto/
まとめ
飲食店スタッフは知っておきたい冬の食中毒対策についてご説明しました。コロナ禍で人々の衛生観念は劇的に変わりましたが、全国の食中毒件数自体は大幅には減っておらず意外だったかもしれません。
飲食店スタッフ一人一人の意識向上で、食中毒は今よりさらに減らせるだろうと思います。