【働く上で違いはあるの?】ブーランジェリーとベーカリーの違い
ない街はないと言ってもくらい人気業態のパン屋さん。「働いてみたい!」と憧れをもっている人も多い業態です。この記事では、パン屋さんで働きたいお店の探し方についてまとめました。
目次
1.そもそも「ブーランジェリー」「ベーカリー」「パン屋」の違いは?

「ブーランジェリー」を名乗るお店、「ベーカリー」を名乗るお店もありますが、「ブーランジェリー」はフランス語、「ベーカリー」は英語で、パン屋さんという意味なので、違いは特にありません。
しかし、フランスでは、ブーランジェリーを名乗るには国の許可で必要となっているそうです。
「生地をこねる」→「発酵させる」→「成形する」→「焼き上げる」
この工程を販売するお店(併設している工房など)で行っている、つまり粉の状態からパンを作っているお店は「ブーランジェリー」を名乗ってもよいそうです。なので、冷凍生地を使っていたり、別の工場で作ったパンを販売したりしているようなお店は「ブーランジェリー」と名乗ることができません。
日本では厳密にそのようなルールはありませんが、お店を経営されている方であれば当たり前の知識であって、本場フランスのブーランジェリーへのリスペクトがあるでしょうから、日本でブーランジェリーを名乗るお店はおそらく「オールスクラッチ製法」なのではないでしょうか。
2.「オールスクラッチ製法」ってなに?

ブーランジェリー・ベーカリーのHPや、求人情報を見ていると「オールスクラッチ製法」という言葉がでてきます。「オールスクラッチ製法」というのは、お店で粉の計量からパンを作る製法のことをいいます。つまり、フランスの「ブーランジェリー」は「オールスクラッチ製法」ということですね。「オールスクラッチ製法」にたいして、「ベイクオフ製法」があり、これは冷凍生地からパンを作る製法のことです。
ベイクオフ製法
ベイクオフ製法とは、売場のある店舗とは別の工場で冷凍生地を製造し、その生地を売場に併設した工房で焼成、仕上げをする方法のことです。店舗内での生地の仕込みの工程を短縮できるために近年増えている方法です。
オールスクラッチ製法
オールスクラッチ製法とは、全ての工程をひとつの店舗で行う方法です。パン生地の仕込みから始めるので、仕事は早朝からのスタートとなります。手間はかかりますが、その分おいしいパンを提供できます。「リテイルベーカリー」と呼ばれる小規模の個人経営のお店で多く行われている製法です。
オールスクラッチ製法のメリットはなんといっても、お店のオリジナリティを最大限に発揮できるところです。小麦粉や塩の配分でパンの味は大きく変わるので、生地にこだわってパンを作りたい方はオールスクラッチ製法のお店で働くことをおすすめします。
決して「ベイクオフ製法」で作ったパンは「こだわりのないパン」というわけではありません。「惣菜パンを主に取り扱うお店だから、生地にかける時間を減らして、その分惣菜に力をいれてる」、「住宅立地でメインターゲットが家族連れのお客様だから、生地にかかるコストを抑えて、より安価な値段でおいしいパンを食べてほしい」、そんなお店もあります。どこにこだわるか、どんなコンセプトのお店かによって、お金と時間の使い方を変えているということです。
3.お店の特徴によって、勤務時間や働き方が大きく変わります。
ブーランジェリー・ベーカリーとひとくくりにいっても、特徴はお店によって様々です。「町に根付いた朝早くからやっているお店」「スーパーの中に併設しているお店」「遠くからわざわざ買いにくる人がいるようなちょっとお高めなお店」「食パン専門店」「サンドイッチ専門店」…。「自分がお店を持つとしたら、どんなお店がいいだろう?」…、ブーランジェリー・ベーカリーの可能性は無限大です。
お店の特徴から、働き方・勤務時間が見えてくるのでご紹介します。

3-1.勤務時間の違い
工場でパンを作ってお店に配送して販売するお店、工房を併設して常にパンを製造している店舗。この違いが出勤する時間に大きくかかわってきます。販売を行わない工場では「夜勤、日勤が分かれている」、「夜が明ける前から仕事が始まり、昼過ぎに仕事が終わる」、など、一般的な飲食店とは違う働き方になってきます。工房を併設して常にパンを製造している店舗では、5時・6時に出勤して、19時・20時に退勤というお店が多いです。
3-2.働き方の違い
どんな飲食店もそうですが、ブーランジェも例にもれず「時間勝負」「段取りが大事」です。生地をこねている間に発酵、焼き上げなど、様々な作業が同時並行で絶えずおこなわれています。ただ、従業員が多いお店や工場などでは、生地の成形担当、焼き上げ担当というふうに「分業制」をとっているお店が多いようです。なので、いち早く自分のお店を持ちたい方や、同時並行でいろんな仕事をすすめるのが好きな方は、工房が併設していて従業員も多すぎないお店がおすすめです。逆に、時間がかかってもひとつひとつの作業をじっくり身に着けたい方には分業制のお店があっているといえるでしょう。
少しお仕事の「条件」について触れましたが、「このお店のパンの味、コンセプトは好きだけど、5時に出勤するのはちょっと…」「じっくり技術を身に着けたいけど、夜勤は嫌だな」と、あまり条件だけで、働くお店を決めるのはおすすめしません。「こんなパンを作ってみたい」という気持ちになるお店を見つけたなら、きっとそこでしか得られない知識や技術があるはずなので、多少朝が早かったり、はじめは給料が低かったりしても、思い切ってとびこんでみても良いと思います。
5.ブーランジェの仕事がわかる動画を紹介します
【eggg bakery】パン屋の1日に密着してみた!
国分寺にお店を構えるeggg bakeryさん。毎日20種類以上のパンを焼いて販売しているそうです。手際よく様々な作業を行っているのがわかると思います。大変なお仕事ではありますが、とても楽しそうで、パンへの愛を感じますね。
6.まとめ
パンの製法、特徴によって、働き方も学べるスキルも大きく変わってきます。給料や待遇ももちろん大事ですが、どんなパンを作りたいか、将来どんなお店をやりたいかという視点でお店を選ぶことが重要です。
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