飲食店の人事採用担当者200人が語る面接現場の“ホンネ”その①
飲食業界では、ほぼ1回の面接で採用・不採用が決まることが多いのです。人事採用担当者や店長、個人店のオーナーなど、採用決定権を持つ担当者が面接官として直接会うからです。応募者も緊張しますが、実は店舗・企業側の採用担当者もその1回の面接で採用を決めるので、1回1回の面接・出会いをとても大切にしています。
そこでグルメキャリー編集部が過去数年にわたり、飲食店の人事採用担当者や店長さんなど、 採用決定権を持つ方200人以上に直接会って、面接現場での“ホンネ”を聞いてきました。 採用担当者がどんなことを意図して、応募者に質問をしているのか? 採用にした人・不採用にした人の違いは何なのか? ズバリ、採用担当者の“ホンネ”をここでご紹介します。
面接時の服装・髪型について
面接に臨む際の服装・髪型は一体どんなものがいいのだろうか、と思ったことはありませんか?採用担当者はどんなふうに思うのでしょうか?
・服装はその人を表現する個性の1つだと思っていますので、自分でふさわしいと思う格好でいいですよ。
・特に服装の指定はしていません。本人がベストと思う格好なら、それを見て判断しています。
・清潔感のある格好・髪型であれば、問題ありません。飲食はサービス業なので、お客さんに不快感を与えるのは絶対ダメですが。
・髭や爪が伸びている方、身だしなみを整えて面接に行きましょうね。
・当店は高単価なお店なので、髪の毛を染めている方だと、お客様が気にするかもしれませんね。
・カジュアルを普段着と勘違いしたのか、Tシャツにジーンズという出で立ちの方を面接したこともあります。さすがにそこからの教育は当社では難しいと思いました。
という様々な意見がありました。もちろんお店・企業によっても異なりますが、確かに飲食業はサービス業です。ホール・キッチン問わず、身だしなみや清潔感には人一倍気を付ける必要はあるかと思います。「実際の仕事に入ったら綺麗にします」なんて言う人がいるかもしれませんが、実は普段の姿が仕事にも出てしまうということを採用担当者はよく知っています。
面接時の格好は「事前に電話して確認してみる」というのも手ですが、社会人の転職の場合、「面接にふさわしい恰好で」と言われることもあります。 そんな場合には「スーツでも構いませんか?」と聞いてみるのも一つの手ですよ。
最低限、面接前にしてきてほしいこと
採用担当者に話を聞いてみて、結構言われることが「面接前の準備」です。面接前の“準備”なんて何をすればいいの?と思うかもしれませんが、あなたは応募先のお店・会社のこと、どれだけ知っていますか?
・「以前食事をしてお店の印象が良かったので」と言われると、お店のこと(雰囲気や客層、どんな料理を出しているかなど)をある程度した上で応募してきてくれたんだなと判断します。ミスマッチの可能性が低くなるので評価できるポイントです。
・今はスマホなどで簡単にお店や会社の情報が分かります。面接で初めて何をやっている会社なのか知るなんてのは、明らかに勉強不足ですよ。
・面接の場所を必ず確認して!応募は会社で受付けていますが、面接は店舗で行うことが多いです。面接当日、間違えて本社に来社されても、面接現場で待っている採用担当者はどうしようもできませんよ。
・「当店で何をしたいですか?」と聞かれ困るのはやめましょう。なぜ当店で働きたいかくらいは自分の言葉で伝えてほしいです。
ひょっとしたら自分がずっと働き続ける職場になるかもしれません。事前の下調べは欠かさないように。採用後に「何か違う?」では、あなたも採用担当者も困ってしまいますよね。
必ず聞く質問とその理由
「志望動機」は必ず聞かれます。どんな応募者もそのお店で働きたいと思った理由があるはずなので、それを素直に伝えてください。ここで変に誤魔化したり、無理に合わせようとすると、後で辻褄を合わなくなるなんてことも。もちろん他にも、
・「食べることは好きですか?」→食の世界で働くのに嫌いな人なんていないと思いますが、興味・関心を持っていますか?という意味で聞いています。仕事がただのルーチンワークとならないよう、常に食に関心を持っていてほしいからです。
・「体力に自信はありますか?」→質問の通りそのままです。飲食業は体を使う仕事です。男女問わず体力がモノを言います。またどの店舗も少数精鋭で営業しているので、一人でも体調を崩したりすると、他のスタッフやお店全体に影響が及びますので。
・「終電は何時ですか?」→飲食業はどうしても閉店が遅くなってしまいます。遠方から通うのであれば、退店時間も他のスタッフより早くしなければならないので、ローテーションを考えます。
・「将来の夢を教えてください」→仕事面でもプライベートでも構いません。何か目標をもって生きているか?またそのために今何か努力しているのかまで教えてもらいたいですね。
・「ウチ、きついですけど大丈夫ですか?」→採用後のミスマッチをなくすため聞いています。また応募者にも「頑張るぞ」と奮い立ってもらいたいからです。
質問自体はシンプルなものですが、各担当者、実はその裏に意図があって聞いています。返答もイエス・ノーだけで終わるのではなく、相手はその質問で何を期待しているのか想像し答えられるといいですね。
もちろん、採用担当者も貴重な時間を割いて、応募者一人ひとりに会っています。最初から不採用にしようと思って面接はしていません。その人の個性や長所を聞き出しながら、どんな風に働いてもらおうかと色々考えているのです。 まずは面接の前半のポイントをまとめてみました。
いかがでしたでしょうか。 次は、面接の後半についてです。「担当者がこの人即採用!と思ったポイント」や「応募者を不採用とした理由」について聞いてみました。 気になる方は「飲食店の人事採用担当者200人が語る面接現場の“ホンネ”その②」をどうぞご覧ください!
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