飲食店の人事採用担当者200人が評価する履歴書・職務経歴書の書き方
「最近、履歴書・職務経歴書を送っても書類選考で不採用になることが増えた」や「今回初めて転職するけど、今まで履歴書なんて書いたことがないから、採用担当者の目に留まるにはどうしたらいいの?」と思う人。また「自分の履歴書の書き方ってこれで正しいのかな?」なんて思ってる人、実は多いのではないでしょうか?
そこでグルメキャリー編集部が、飲食店の店長さんをはじめ、各企業の人事採用担当者や個人店のオーナーなど、過去数年にわたり採用決定権を持つ採用担当者200人以上に直接会って、採用した人、不採用にした人の履歴書・職務経歴書を前にして“採用のホンネ”を聞いてきました。
何が評価のポイントとなったのか、不採用とした原因を具体的に教えてもらいました。
もちろん、履歴書・職務経歴書だけで採用されるわけではありませんが、 履歴書・職務経歴書が書けないことにはスタートラインにも立てません。
誰もがそう思う納得の評価ポイントから、人事採用担当者ならではの鋭い視点まで、 飲食業界採用担当者のリアルな“採用のホンネ”をお伝えします。
基本的な記入事項について
氏名、生年月日、住所、連絡先などの基本的な記入項目は正しく、正確に記入しましょう。 この項目で大きく評価が分かれるポイントは少ないようですが、 飲食店の人事採用担当者からは、こんな“ホンネ”が
・今まで数多くの応募者を見てきましたが、しっかりと記入している人は几帳面な方が多いです。 そのためどんな仕事(本人が希望しないことであっても)にもまじめに取り組んでくれます。 逆にここで誤字脱字が目立ったり、必須項目を記入できていないと、採用しても仕事に集中できなかったり、手を抜いたりしそうな気がします。
・履歴書の段階から面接に向けての準備ができているかがわかる。
・応募に対する意気込みを感じる。
なかには
・記入の仕方(文字バランス、ふりがなの記載、書類不備があるかないか等)を見れば、その人の人間性や常識観がわかる。
なんて意見までありました。
結論:履歴書・職務経歴書は各店舗・企業の人事担当者が一番最初に目にする書類です。 応募方法に“まずは履歴書を郵送してください”という場合は、履歴書だけで判断されて不採用、なんてことになりかねません。 また誤字脱字があったりすると、応募に対する姿勢を疑われかねます。間違っても修正液で訂正、なんてことはしないで、 もう一度書き直しましょう。
証明写真について
履歴書に貼る証明写真にスナップ写真やプリクラを使う人はさすがにいないでしょうが、スーツ姿がいいのか私服がいいのか迷う人もいるかもしれませんね。
・スーツ姿であれば転職に対する意気込みが強く感じられる。私服だと「絶対に入社・入店したい」という気持ちを感じられない。
・写真の表情や目に輝きがあると好感が持てる。実際に会ってみたいと思います。
・たとえ個人店であっても、“企業”への就職という意識を持ってもらいたいのでスーツ姿が好ましい
という意見が多いです。
結論:いくら職人と言っても、私服や仕事着で撮影した写真は避けたほうが賢明です。
学歴・職歴について
・学歴はほとんど見ていないが、それを背景にした人間性を見極めている。
・これまでの職場で何を学び、何ができるようになたのかが書いてあるとその人を客観的に判断できる材料となる。店舗名だけではその人の実力を判断しにくい。
・経験した業態や職種・仕事内容がちゃんと“線”として繋がっているか?ただの“点”の集合として終わっていないか?
といった客観的な判断もあれば
・30才以上のベテランであれば、料理長クラスの経験はあってほしい。
・最初の1店舗目での勤務年数を見ている。少なくとも2~3年勤めあげていないと、うちで採用しても続かないのかな、と思ってしまう。
といったように具体的な年数を判断材料としている人事採用担当者もいる。
結論:学歴よりも実力がモノを言う飲食業界では職歴が大いに注目されます。今まで何をやってきて、今、何ができるのか。そして次に何をできるようになりたいのか、です。 アルバイト歴でも長く勤務していたものであれば評価の対象になるようですよ。 また1店舗当たりの在籍期間もチェックされています。勤務期間が短期間なものが多い場合には、「入店してもすぐにやめられてしまうのでは…」とネガティブに評価されるパターンが多いようです。
もちろん、会社都合の退社等、やむを得ない事情があった場合には、しっかり伝えられれば問題はありません。
趣味・特技について
一見すると、趣味や特技なんて仕事には関係ない、と思われがちですが、実際には各社の人事採用担当者はしっかり見ていますよ。
・自己PRや趣味の欄が空白だと、やる気を感じない。
・趣味や特技は何でもよい。ただしそれを上手く文章で伝えられるかという点に着目しています。
・応募者してきた方たちの中で学生時代に部活動・サークル活動に励んでいた人は、ヒューマンスキルが高い場合が多いと感じた。
なかには
・趣味から遊び心があるかを見ている。飲食業界はサービス業なので、遊び心がないとお客さんに喜んでもらえないから。
・リラックスして面接を受けてもらうための話題作りとして確認しています。
といった意見も。
結論:趣味や特技は個性の一部です。真面目一辺倒よりも、柔軟性を感じさせるものがあると評価が上がるようです。趣味や特技が仕事に影響することは少ないでしょうが、飲食業は対人で成り立つ仕事です。あなたの個性を見てもらうには、絶好のアピールポイントともなりえます。
志望動機について
ほぼ全ての人事採用担当者が履歴書・職務経歴書の中で重視するのが、“志望動機”です。はっきり言えば、ここでの評価のウエイトはかなり大きく、短文であっても、採用担当者はかなり時間を割いてそこから応募者を判断します。 書類選考であれば、次の面接につながるかの分水嶺になりえる大事なポイントです。
・志望動機で将来のビジョンや向上心等のポジティブな姿勢が感じられると入店後も成長していけそうだな、と思います。逆にいい加減な志望動機では、仮に有能な人物でも一緒に働きたいと思えない。
・熱意を感じられる志望動機を書いてほしい。
・どこのお店にも当てはまるような志望動機ではなく、どうしても当店で働きたい、という意欲が伝わるとGOOD!。
といったようにあなたの“熱”を伝えられるようなものであるといいですね。
結論:現時点で求められるスキルや経験がなくても、入店後に大きな成長を期待できるような応募動機はかえって高評価に繋がる場合もあるようです。 年令や経験に不安を抱える人はここで逆転のチャンスを狙えます。時間をかけて自分と向き合い、なぜそのお店で働きたいのかをもう一度自分に問いかけてみましょう。
まとめ
履歴書・職務経歴書は面接前の最初のプレゼンテーションと言っても過言ではありません。 採用担当者の“ホンネ”を聞いてみると、意外と応募者が気にするポイントと採用担当者の見ているポイントでは違うこともありますね。 履歴書の郵送だけで不採用になることが多い方は、一度しっかり自己分析して応募してみてはいかがですか。
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