九州の食べんといかんばい~長崎編~ 「具雑煮」
九州の西北に位置する、長崎県の島原半島。ここではお正月やお祝いの席で「具雑煮(ぐぞうに)」という郷土料理を食べる習慣があります。
具雑煮とは、白菜や里芋、ニンジン、大根、ゴボウなどの様々な野菜と、鶏肉、豆腐、餅など、その名の通りたくさんの“具”が入った雑煮です。決まっている具材はないので、各家庭によって味はそれぞれ違います。出汁はカツオ節や昆布と至ってシンプルなのですが、たくさんの具材から旨味が溶け出して深い味わいになります。
また、使用する水にも特徴が。島原は1日の湧水量が22万トンといわれるほど、水の豊かな街です。天然のミネラルが豊富な島原の水を使用することにより、具雑煮も一層美味しく仕上がります。
歴史は大変古く、発祥は1637年に起きた「島原の乱」だといわれています。一揆軍の総大将だった天草四郎が約3万7千人の信徒たちと籠城した際、海や山の幸を用いて雑煮を作り、約3ヶ月も戦いながら生き延びたのです。これが具雑煮のはじまりだといわれています。
伝統ある具雑煮は、島原の飲食店でも食べることができます。一人ひとりに土鍋で提供するスタイルが多く、寒い時期にはピッタリ!
島原にはたくさんの観光名所や温泉地もあるので、訪れた際は具だくさんでボリューム満点の具雑煮をぜひ召し上がってください!