九州の食べんといかんばい~熊本編~ 「天草大王」
熊本県の阿蘇地方で飼育されている「天草大王(あまくさだいおう)」とは、国内最大級の地鶏です。「大王」という名に相応しいその大きさは、雄の背丈が90cm、体重はなんと7kgほどもあり、世界的に見ても大変珍しい大型の食用鶏になります。
大正時代、天草大王の良質な肉は主に水炊き用として珍重されていました。しかし天草大王は産卵率が低く、時代の不景気とも重なり、昭和初期に絶滅してしまったんです。
その後、天草大王の復活を望むたくさんの声を受け、熊本県の農業研究センターが10年の歳月をかけて復元に成功。70年ぶりに天草大王は再び誕生したのです。
天草大王の特徴は?
一般的な地鶏は飼育期間が80日以上と定められているのですが、天草大王は100~150日ほどの飼育期間を経て出荷されます。これは何度も試食を繰り返す中で、この期間がより一層上質な味になると判断されたため。
また、一平方メートルあたり10羽以下で平飼いしているため、ストレスのないのびのびとした環境で育つことができます。
肉質は噛めば噛むほど旨味が広がり、臭みがなく脂がのっているのが特徴です。鶏刺しや炭火焼き、すき焼きや親子丼など、調理をしてもしっかりと素材の味が残っているので、様々な料理にして楽しむことができます。
熊本を訪れる際は、貴重な天草大王をぜひ召し上がってみてくださいね!