東海の食べてみやあ~静岡編~「石垣いちご」
「石垣いちご」とは、その名の通り石垣で生産されるいちごのこと。久能山東照宮とその南に広がる一帯は、石垣いちごの生産地として知られています。石垣いちごは品種名ではなく、この地域の石垣で生産されるいちごの総称。「章姫」「紅ほっぺ」をはじめ、様々な品種が栽培されているんですよ。
石垣いちごの誕生は明治時代。川島常吉という方が久能山東照宮の宮司からいちごの苗をもらい、それを石垣の間に植えたことが始まりと言われています。当時はまだビニールハウスもなかった頃ですが、海沿いの温暖な気候と石の保温効果により、冬場にも関わらずいちごが実をつけたそうです。この効果を応用し、現在「久能いちご海岸通り(駿河湾に面した静岡市駿河区の国道150号線沿いの通称)」では、多くの農家が「石垣いちご」を生産しています。
昔は玉石を積み上げていたそうですが、大正時代に入るとコンクリート板を考案。駿河湾の砂浜で木枠にコンクリートを流し込み、それぞれの農家ごとにコンクリート板を作りました。石垣栽培は全国でも珍しい技術で、石積みには培われてきた技が必要。この土地だからこそできる伝統的な栽培方法なんです。
1月~GW頃までいちご狩りを楽しむことができるので、この珍しいいちごをぜひ一度ご覧ください!