九州の食べんといかんばい~福岡編~ 「八女茶」
お茶の産地というイメージがあまりない福岡県ですが、実は生産量と栽培面積が全国6位の立派なお茶どころ。中でも八女市(やめし)を中心に栽培される「八女茶(やめちゃ)」は、非常に希少価値が高く、生産量は全国のおよそ3%ほどしかありません。
八女茶は、室町時代に中国から伝わりました。八女市は雨が多く、朝夕の寒暖差で霧が発生しやすい地域。お茶の栽培にとって霧はとても大切で、程良く太陽の紫外線を遮ってくれるため、バランスの良い渋みと甘みを兼ね備えたお茶にしてくれます。そのため八女市はお茶の栽培にうってつけの環境だったのです。
栽培も他とは違う方法で行われています。現代ではほとんどが化学繊維のネットで茶葉を日光から遮っているのに対し、八女では昔からの伝統的な稲わらを使用しているのです。
さらに通常2週間のところ、八女茶は20日ほど日光を遮ります。こうすることで、旨味成分がカテキンやカフェインに変化するのを防げるんです。
また、一般的に茶葉の収穫は、新茶、二番茶、三番茶……と、年に数回行われます。
しかし八女茶は、茶の芽を減らし一枚一枚の葉を大きく育て、茶木がしっかりと養分を蓄えることによって良質な茶葉になります。そのため、八女茶のほとんどは二番茶で収穫を終えるんです。
量より質を重視する八女茶は、お茶の平均単価が日本一高い高級品。甘くてコクがあり旨味も強いため、お茶本来の味を楽しむことができます。大切な人にプレゼントとして送っても喜ばれること間違いなし!