北陸の食べてみられ~富山編~ 「かまぼこ」
かまぼこは富山の食を語るうえで欠かせないポピュラーな食品です。富山湾で豊富に獲れる新鮮な海の幸と、伝統の職人技により富山独自のかまぼこ文化ができあがりました。
■昆布巻かまぼこ
富山のかまぼこは「板」がないのが特徴。すり身を板の上に盛りつけて成形する板かまぼこに対して、富山のかまぼこはすり身を板状に伸ばした後、だし巻き卵のように巻いたものを蒸して仕上げます。かつて北前船(※1)で運ばれた北海道の昆布を使って、すり身を巻いた昆布巻かまぼこを作ったのが始まりと言われています。昆布巻かまぼこは郷土色豊かな味わいから全国的にも人気があるんですよ。
(※1)…江戸時代から明治時代にかけて日本海海運で活躍した、北国廻船(かいせん)の名称
■巻かまぼこ
すり身に赤や青の着色をして昆布の代わりに用いる巻かまぼこも、魚本来の旨味に色調の美しさが加わり、富山の食卓には馴染みの深い食品となっています。巻かまぼこは新鮮な風味を巻き込み保ち、季節を問わずおいしくいただける最高の海の恵です。
■婚礼かまぼこ
富山では、婚礼の引出物として持ち帰ったかまぼこを切り分けて、親戚縁者や近所に配る習慣があります。結婚式は参会者の承認を得る場であり、引出物をおすそ分けするのは、承認の輪を広げるという意味があります。できるだけ多くの承認を得ることで幸せがより深まるとあって、婚礼の際には鯛、鶴亀、富士山など縁起物をかたどった大型かまぼこが引出物として好まれてきました。しかし、最近では持ち帰りの際の便宜が計られ、婚礼かまぼこは小型化の傾向にあるそうです。
富山独特のかまぼこ文化、知らなかった方も多いのでは?富山へお出かけの際のお土産は、かまぼこで決まりですね!