関西の食べなあかんやん~滋賀編~ 「鮒寿司(ふなずし)」
琵琶湖で獲れたニゴロブナを塩と米で発酵させた、滋賀県の名産「鮒寿司」。
初めて見た方は驚くかもしれませんが、実はこれが“寿司”の原型なんです!
私達が普段目にするものとは見た目が全然違いますよね。
【鮒寿司とは】
鮒寿司の歴史は古く、千年以上前に中国・東南アジアから伝わったとされています。
かつて琵琶湖で大量に獲れていたニゴロブナを保存する手段として編み出されたのが
鮒寿司と言われており、まさに冷蔵庫がない時代の知恵が詰まった食べ物です!
春頃に産卵期の鮒の内臓を取り除き塩漬けにします。夏の土用の頃にはさらに米で漬け、
一番早いもので秋に食べ頃をむかえますが、そこから1~2年長期間にわたって
発酵させる場合もあります。
また、鮒寿司はその独特な発酵臭が有名とされていますが、これは乳酸発酵により
魚肉のタンパク質が、うま味となるアミノ酸に分解されたことで発生している臭いです。
苦手な方もいるかもしれませんが、体に良い成分がたっぷり含まれているんですよ!
鮒寿司は生の鮒に比べてミネラルやビタミンが豊富に含まれています。
さらに鮒寿司は骨ごと食べられるので、カルシウムも摂取できるんです!
そのため、昔から滋賀県では体調が悪い時やお腹の調子が悪い時には、
鮒寿司をお茶づけ等にして食べる風習があったそうです。
そんな鮒寿司は滋賀県指定無形民族文化財に登録され、滋賀県の名産となっています。
今ではニゴロブナの捕獲量が減ったことで貴重な食べものになってしまいましたが、
滋賀県を訪れた際にはぜひ、伝統的&栄養満点の鮒寿司を食べてみてください♪