九州の食べんといかんばい~鹿児島編~ 「桜島大根」
皆さんは「桜島大根」を見たことはありますか?その名の通り、鹿児島県の桜島で栽培されている大根ですが、スーパーなどで見る大根とは全く違うものなんです。
桜島大根の最大の特徴は、なんといってもその大きさ。一般的な大根のように細長い形状ではなく、カブのような丸い球型をしています。
普通に栽培しても平均10kg前後になるのですが、手をかけて育てると、なんと30kg前後にまで育つんです!直径は40~50cmもあり、一般的な大根の5倍にもなります。ここまで大きくなる大根は世界的に見ても稀で、世界最大の大根としてギネスに認定されるほど!
ではなぜこんなに大きく成長するのでしょうか?
その秘密は、名前からもきている桜島にあります。
桜島の噴火による火山灰でできた土壌は、水はけが良く、空気が通りやすいため通気性が良いのです。そしてもう一つ、葉の形状にも特徴が。長い茎が何本も放射線状に広がり、隙間なくびっしりと葉が並びます。収穫せずとも一目瞭然で桜島大根と分かる独特な葉は、鹿児島に降り注ぐ暖かい太陽の光をより多く吸収するために、このような形状になったといわれています。
大きいものは大味で美味しくないと思われるかもしれませんが、桜島大根は味も素晴らしいんです。辛みが少なく甘みが強いため、サラダなどの生食でも好まれています。きめ細やかな肉質で煮くずれしにくいのが特徴なので、おでんやブリ大根などの煮物料理にはうってつけ!
また、桜島大根を輪切りにして塩漬けし、焼酎を加えた酒粕に漬け込んだ「さつま漬け」は特産品としても有名です。
江戸時代から栽培されていたといわれる伝統野菜、桜島大根。この冬も、鹿児島の食卓を温めてくれていること間違いなし!