北陸の食べてみられ~富山編~ 「ホタルイカ」
ホタルのように青く幻想的に光り、見る者を神秘の世界へと誘うホタルイカ。海岸近くまで数百万匹のホタルイカが押し寄せる風景、テレビなどで見たことがある人も多いのでは。実は、これは世界でも例のない珍しい現象なんです。富山湾の中でも特に常願寺川右岸から魚津市にかけて約15㎞、沖合約1.3㎞の海面は「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されています。
富山湾に数百万匹のホタルイカが押し寄せてくる理由は、海岸から急に深くなる富山湾独特の地形にあります。ホタルイカは日中水深200m前後の所に生息していますが、産卵のため、夜一斉に浮上します。そして、産卵後にホタルイカが浅瀬に打ち上げられ一斉に発光する現象を地元では「身投げ」と呼んでいます。ホタルイカが空気の混じった海水を吐き出す時の「キューン、キューン」という音は、鳴いているようにも聞こえ何とも言えない切ない感じがするんですよ。
富山では毎年3月1日に漁が解禁。他県では底曳網で漁獲されますが、富山のホタルイカは定置網で漁獲されるため傷が少ないんです。また漁場から漁港や加工場までが近いため鮮度も抜群!ボイルホタルイカや刺身など鮮度を活かしたおいしい商品が作られています。富山のホタルイカが漁獲される3~5月は産卵期なので、他県で漁獲されるものより魚体が大きいのも特徴です。
鮮度の良い状態で茹でたホタルイカは、胴が丸くツヤがあり、足は丸まっています。外はプリプリ、中はトロリとした獲れたての味は絶品!調理方法はボイルや唐揚げ、黒作り(イカの塩辛にイカ墨を混ぜた料理)、沖漬け(醤油に漬け込んだ料理)など様々で、どの料理も抜群のおいしさです。
富山県には、ホタルイカの魅力を紹介する「ほたるいかミュージアム」や海上でホタルイカ漁の見学や発光現象を見学できる「ほたるいか海上観光」などがあります。ホタルイカ漁の期間に富山へお出かけの際は、ホタルイカ料理と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか!