九州の食べんといかんばい~大分編~ 「鱧料理」
大分県中津市では、高級魚として知られる「鱧(ハモ)」が特産です。鱧といえば、京料理など関西で馴染み深いイメージがありますよね?しかし、鱧は温暖な海水を好む魚。実は、国内の産地で多いのは西日本以西の沿岸部なんです!
大分には、山からの栄養を運んでくれる川が多く存在します。その栄養分が海へ流れ込むとプランクトンが増え、豊富なエサを食べて脂がのった鱧へと成長します。また、延縄漁や底曳き網漁で漁獲されるため鱧に傷がつかず、鮮度や品質を保つことができます。
一般的に夏の印象が強い鱧ですが、実は秋の鱧も絶品!秋の鱧は「落ち鱧」と呼ばれ、夏の産卵が終わってたくさんのエサを食べているため、身が肥え脂ものっています。また、この季節になると体が金色を帯び、見た目も美しく変わってくるんです。
鱧の調理といえば「骨切り」が有名ですよね。長くて硬い小骨がたくさんある鱧は、しっかりと下処理を行わなければなりません。皮1枚を残しながら、約3cmの幅に25本の切れ目を包丁で入れていく繊細な作業は、まさに職人技!
実はこの骨切り、江戸時代に中津の漁師や料理人が生み出した技法だといわれています(諸説あり)。何年もの修業を積んだ料理人が行う最高峰の技術が、大分から全国に広まったとは驚きです。
あっさりとしており上品、クセのない淡白な味わいの鱧は様々な料理に用いられます。代表的な湯引きや刺身だけでなく、天ぷらやしゃぶしゃぶ、煮物、寿司、吸い物までアレンジは無限!
また、鱧には良質なタンパク質が豊富で、ビタミンやミネラルも多く含まれているため美容にはうってつけ!皮にはコラーゲンもたっぷりで、肌老化も予防してくれます。さらに、免疫力アップや疲労回復など、体に嬉しい効果ばかりなんです。大分の温泉巡り旅行には、鱧料理もぜひ加えてみてください!