九州の食べんといかんばい~長崎編~ 「かすまき」
長崎のお菓子といえば、カステラを思い浮かべる方が多いと思いますが、それとは別に「かすまき」というお菓子があるのをご存知でしょうか?
かすまきとは、カステラのような生地であんこを巻いた和菓子。名前の由来もそこからきており、見た目はロールケーキのようで、生地の中にたっぷりと餡が詰まっています。
その歴史は江戸時代と古く、参勤交代から帰ってきた藩主を迎えるために考案されたと考えられています。当時、贅沢品だったあんこをたっぷりと使うことで、家中一同の喜びを表したそうです。海外から砂糖が手に入りやすかった長崎ならではのお菓子ですね。
ちなみに、海外から砂糖が運ばれた長崎~福岡の小倉までの道を「シュガーロード」と呼び、現在も道沿いにはたくさんの菓子店があります。
当時、長崎から遠くなればなるほど砂糖の価値は上がり、大変貴重なものでした。よって、だんだんと菓子や料理の甘みが不十分になっていきます。このように甘みが十分にある、もしくはないことを「長崎が近い(遠い)」と表現していたそうです。面白いですね!
現在では黒あんをはじめ、白あんや抹茶あん、粒あん、こしあんなどバリエーションも豊富です。薄く伸ばしたカステラ生地にあんこをのせて巻き上げるのですが、ほとんどの店舗が機械を使わずに手作業で一つひとつ丁寧に作り上げています。
ふわっふわの生地を頬張ると、口の中にあんこの甘さが広がっていく幸せ。甘党の人にはたまらないですね!長崎を訪れた際はカステラだけでなく、かすまきもぜひ召し上がってみてください!