九州の食べんといかんばい~熊本編~ 「阿蘇高菜漬け」
ご飯のお供やチャーハンの具材、ラーメンのトッピングにと、幅広く食べられている高菜漬け。熊本県阿蘇地方では古くから高菜の栽培が盛んで、その阿蘇高菜を使って作られる「阿蘇高菜漬け」が名産になっています。
阿蘇高菜は、世界規模の大きさを誇る阿蘇カルデラ(火山活動によりできた大きな凹地)の中で作られます。標高が500m以上ある高地なので、夏は涼しく、冬には積雪も珍しくない気候の中で育ちます。そして阿蘇特有の火山灰が降り積もってできた水はけのいい火山灰土壌が、高冷地という気候と相まって、高菜の生産にバッチリ適していたのです。
稲刈りが終わる10月頃、阿蘇高菜の種まきが始まります。芽が出て10cmほどの葉が広がりだした頃、冬が訪れ雪に埋もれた芽はじっと春を待ちます。そして春先の暖かい雨をぐんと吸収し、一気に茎が伸びるのです。機械を使わずに一本ずつ手で折って収穫されるのですが、この作業のことを「たかな折り」と呼び、それが始まると阿蘇の人々は春の訪れを感じるのだとか。
一般的な高菜漬けは、葉の部分も含めた全体を漬物に使用しますが、阿蘇高菜は細い茎の部分と固めの葉のみで、やわらかい部分は使用しません。
また、阿蘇高菜漬けは「新漬け」と「古漬け」の2種類があります。新漬けは少ない塩分で3~5日ほど漬ければ完成。対して古漬けは、多めの塩分で2~3ヶ月ほど漬けるんです。
みずみずしいシャキッとした食感、ピリッとくる辛味がお好みなら新漬け。発酵が進んで、旨味がギュッと凝縮された濃厚な味がお好みなら古漬けがオススメです。
様々なアレンジもきく阿蘇高菜漬け。皆さんもお土産にぜひどうぞ!