料理には欠かせないスパイスの胡椒。
代表的なものは「黒胡椒」と「白胡椒」ですが、その違いをご存知でしょうか。
実はこの2つの胡椒は、もとは同じ植物の実なんです!
黒胡椒 | 白胡椒 | |
採取の時期 | 熟す前 | 完熟してから |
皮 | 皮付きのまま | 皮なし |
香り・辛み | 強い | 弱い |
胡椒とはそもそも、コショウ科コショウ属のつる性の植物の実を加工したもの。
上の表を見ていただければ分かるように、「黒胡椒」と「白胡椒」は採取の時期や加工の仕方が違い、それによって色と風味に違いが生まれているんですね。
>>>黒胡椒って?
別名ブラックペッパーとも呼ばれる黒胡椒。
完全に熟す前の緑色の実を、皮付きのまま長時間かけて乾燥させて作られています。
緑色だった実を乾燥させることで、表面にシワのある黒い胡椒になるんですね。
黒胡椒は辛味の主成分となるピペリンを豊富に含んでおり、独特の強い刺激的な風味があります。
中世ヨーロッパでは、胡椒の持つ防腐や防虫作用から珍重されていました。
現在も世界中の料理に使われているポピュラーな黒胡椒ですが、特に牛肉との相性は抜群です!
>>>白胡椒って?
別名ホワイトペッパーとも呼ばれる白胡椒。
赤く熟すまで育てた果実を収穫後に水に浸して発酵させ、皮を外した白い核部分のみを乾燥させて作られています。
皮を取り除いているので芳香成分は黒胡椒より少なく、よりマイルドで上品な香りが魅力。
白身魚やクリームシチューなど、繊細な風味付けに向いています。
また、消化不良や腹痛に効果があるとされ、薬膳料理にも用いられることもあるそうです。
>>>グリーンペッパー・ピンクペッパー
胡椒には他にグリーンペッパーとピンクペッパーがあります。
グリーンペッパーは、鮮やかな緑色の胡椒。熟す前の果実を摘んで短時間で乾燥させているので、緑色が維持されているんですね。
さわやかな香りと辛味があり、原産地ではそのまま具材として調理されるそう。
鮮度を保つため、塩漬けにしたものもあります。
ピンクペッパーには、いくつかの種類が存在します。
1.ウルシ科のコショウボクの実
2.完熟し赤色に染まった胡椒の実
3.セイヨウナナカマドの実
日本で一般的にピンクペッパーというと、1.のウルシ科のコショウボクの実を指しますが、これは正確には胡椒ではありません。
フランス料理や東南アジア南アジア各地の料理で使用され、ポアブルロゼとも呼ばれています。
ツヤのある外皮に包まれていて、鮮やかなピンク色。料理に添えると華やかさもアップします。
辛味はなく、爽やかでフルーティーな風味が特徴なので、製菓やカルパッチョに彩りと風味のアクセントとしてよく使われます。
>>>まとめ
一口に胡椒といっても色々な種類があり、奥が深いことが分かりました。
胡椒の香りは揮発性なので、煮込み料理やマリネにはホール。
下拵えには細かいパウダー状のもの。
仕上げに使う場合は、香りが持続しやすい粗挽きが良いとされています。
よりスパイシーな香りを楽しみたいなら、ミルを使うのがオススメ!
挽きたての胡椒はより一層、香りと辛味を味わえますよ♪
まずは黒と白の胡椒をそろえて、食材や料理によって使い分けてみてはいかがでしょうか。