橙とみかん、見た目はよく似ているけれど、この二つの違いってご存知ですか?
実は、橙とみかんは、どちらも同じミカン科ミカン属柑橘類に分類される仲間なんです。
ですが、その由来や用途は大きく違います。今回は橙とみかんの違いをご紹介!
>>>橙って?
橙の原産はインド・ヒマラヤ地方で、日本には中国を経由して入ってきたと伝えられています。ヨーロッパではサワーオレンジ、ビターオレンジと呼ばれており、マーマレード用に栽培されているそうです。
橙は木になりますが、実った果実を収穫せずにいると、落下することなく2~3年の間はそのままの状態でいます。
一つの木に1年目の果実、2年目の果実、3年目の果実と、いろいろな世代の実が生るところから、「代々=だいだい=橙」と呼ばれるようになったと言われています。
この代々という言葉が「代々=何代も家が続いていく=子孫繁栄」となり、縁起が良いとしてお正月飾りに使うようになったんですね。
昔から日本ではオレンジ色のことを「橙色」と言います。
その名の通り、橙の実はオレンジ色をしていますが、一年中実の色がオレンジというわけではないんです!
秋頃に色づき始め、実が熟すとオレンジ色になります。しかしそのままにしておくと、春過ぎ頃にはまた緑色に戻ってしまいます。不思議ですね。そのため、橙は「回青橙(かいせいとう)」とも呼ばれています。
アロマテラピーなどで用いるエッセンシャルオイルに、橙の花から作った精油「ネロリ」というものがあります。
橙の皮や枝、葉っぱからも精油は取れますが、花から採取した精油は特に希少で高価。美肌や精神安定の効果が期待できるそうです。
>>>みかんって?
日本でみかんというとき、一般的には「温州みかん」のことを指します。ちなみにうんしゅうみかんと読みます。おんしゅうではないのでご注意!
この名前の由来は中国の温州地方から。そこで作られた柑橘類は非常に美味しかったため、まるで温州で作ったみかんのように美味しいみかんだ、という意味でつけられた経緯があるそうです。
また、イギリスでは温州みかんのことを「Satsuma(サツマ)」と呼びます。そのきっかけは幕末にまで遡り、薩英同盟が結ばれた際に友好の証として薩摩藩からイギリスに温州みかんの苗が送られたことに由来するそう。
また、明治時代の始めに、当時のアメリカ駐日大使が温州みかんの苗木を薩摩で購入して国に送ったからSatsumaと呼ぶようになった、という説もあるそうです。
この日本独自の温州みかん、実は誕生したきっかけは突然変異!およそ400年ほど前に突然変異によって種無しのみかんが生まれました。種無し=縁起が悪いと敬遠され、当時はごく限られた地域でのみ栽培されていた歴史があります。
現在のように温州みかんが広い地域で栽培されるようになったのは、明治に入ってからだそうです。
>>>みかんの皮の秘密
剥いて捨てることの多いみかんの皮ですが、実は栄養豊富なことをご存知ですか?
みかんの皮を乾かして作る「陳皮(ちんぴ)」という漢方薬として使われているほど。便秘解消、コレステロールを低下させる効果、疲労回復、骨粗しょう症予防、むくみ予や改善など、非常に多くの効果が期待できると言われています。陳皮にしたものを刻んで料理に混ぜたり、ジャムにしたり、砂糖漬けにしたりすると、食べやすいですよ。
>>>まとめ
橙とみかんは見た目こそよく似ていますが、実は味も歴史も大きく違う果物なんです。
甘味の強いみかんは、特に冬の間は常備するご家庭も多いはず。生のままで食べられるのはもちろん、果汁を使った加工品も多く、一年を通しておいしく食べることができる果物ですね。
それに対し、橙はお正月の鏡餅に乗せるときくらいしか使わないという方も多いのではないでしょうか。橙は酸味が強いので、生のままで食べるということはまずありません。果汁を絞って、ぽん酢やマーマレードといった加工品によく使われているので、そういったものでなら口にする頻度も高いかもしれませんね。
知っているようで意外と知らない二つの違い、意識してみるのも面白いかもしれません♪