九州の食べんといかんばい~宮崎編~ 「天然牡蠣」
宮崎県高鍋町という小さな町は牡蠣が名産で、シーズンになると県内外からたくさんの人々が訪れます。しかもその牡蠣は、養殖ではなく天然ものなんです!
漁場となるのは、サーファーや海水浴客で賑わう蚊口浜(かぐちはま)。ここには、延長73kmにおよぶ一級河川の小丸川(おまるがわ)と日向灘が混ざり合うスポットがあり、牡蠣にとっては絶好の環境なんです。山の栄養を多く含んだ小丸川はゆっくりと日向灘へ流れていき、牡蠣の餌となるプランクトンをたっぷり育てます。加えて、日向灘の荒波にもまれた牡蠣の身は引き締まり、3~4年をかけて成長します。天然ものなので養殖に比べると小粒ではありますが、旨味がぎゅっと詰まった濃厚な味わいが特徴です。
高鍋町の天然牡蠣は、漁師たちにより全て素潜りでとられます。目指すのは、海岸線に沿って連なっているゴロタ石と呼ばれる岩。ここに天然牡蠣がびっしりとくっついており、漁師たちは釘抜きのような形をした「かき打ち」を手にして、岩から一つずつ牡蠣をはがしていきます。県内を中心に出荷されますが、もちろん高鍋町がNo.1の消費量を誇ります。
牡蠣には様々な食べ方がありますが、その旨味を一番に味わえるのはやはり焼き牡蠣。殻がついたままじっくり焼いて、旨味を十分に引き出します。調味料を何も使わずに食べても、天然ならではの濃厚な味は絶品です!
牡蠣は「Rのつかない月は食べるな」と言われ、5月(May)、6月(June)、7月(July)、8月(August)はあまり美味しくない上に腐敗のしやすいシーズン。秋から冬にかけて旬になるので、まさに今からが美味しい季節なんです!「海のミルク」と言われるほど栄養豊富な牡蠣ですが、天然牡蠣は栄養分もさらに高くなっています。皆様も高鍋産の天然牡蠣で、秋冬の到来を感じてみては?