北陸の食べてみられ~新潟編~ 「のっぺ」
「のっぺ」とは、とろみのついた煮物のことです。にんじん、さやえんどう、こんにゃく、しいたけなどの具材の他、里芋を加えてとろみをつけるのが特徴。家庭によって具材やだしの種類も様々な、まさにおふくろの味なんです。
のっぺは冠婚葬祭やお正月のおせちとしても並ぶ料理。お祝いの席では鮭やイクラをのせることもあり、食材を拍子木切りにします。また、不幸の席では乱切りに。(地域によっては吉日でも乱切りが普通というところも、その反対もあります。)地元では小料理屋や居酒屋などでも提供されており、冬は温かく、夏は冷たくして食べるんですよ。ちなみに、冷たいのっぺはたくさん作ったのっぺを鍋ごと雪に埋めて保存していたことが始まりと考えられています。
■名前の由来
のっぺの名前は、“とろみのある”という意味の「ぬっぺい」からきており、漢字では「濃餅」や「能平」と書かれます。のっぺの他に「ぬっぺい」「ぬっぺり」などと呼ぶことも。
■「のっぺ」と「のっぺい」
新潟に限らず、奈良や島根などでも同じような煮物が食べられています。呼び名は「のっぺい」や「のっぺい煮」など様々だそうです。新潟の「のっぺ」と、日本各地で食べられている「のっぺい」。その決定的な違いは、とろみのつけ方にあります。のっぺは里芋の自然なとろみがついているのに対し、のっぺいは片栗粉でしっかりとしたとろみをつけるんです。
ご旅行の際は、新潟の「のっぺ」、全国にある「のっぺい」を食べ比べしてみてはいかがでしょうか!