北陸の食べてみられ~石川編~ 「五色生菓子」
五色生菓子(ごしきなまがし)は、江戸時代より伝わる金沢ならではの祝い菓子。
今でも婚礼、建前などで用いられています。
それぞれの生菓子が「月、山、里、日、海」の意味を持ち、森羅万象・五穀豊穣を表しています。
また、心臓、肺、肝臓、腎臓、膵臓を表し、健康を祈念しているという説も。
■それぞれの意味■(写真一番上から順にご紹介)
- 饅頭 – 白い丸型の麦饅頭。「満月」を表しています。
- いがら(えがら)餅 – こし餡の入った丸型の餅。黄色に着色した米粒がまぶしてあり、栗のイガから「山」の意味を持ちます(稲穂の実りで里も表しています)。
- 羊羹 – 丸型の蒸し羊羹。黒い土で里、丸い形で山を表現しており、「里」の意味を持ちます。
- ささら餅 – こし餡の入った丸型の餅。紅色に着色した米粉がついており「日の出」を表しています。
- うずら – こし餡の入った菱形の餅で、重なる波を表現。「海」の意味を持ちます。
■歴史■
慶長6年、徳川二代将軍秀忠の娘・珠姫が前田家三代藩主利常侯に嫁入りしました。
五色生菓子は、その祝い菓子として、本職の菓子屋・樫田吉蔵氏が創作しました。
その後、明治時代になってから、婚礼時に贈る習慣が広まったとされています。
色と形が特徴的な五色生菓子。
それぞれの意味を頭に思い浮かべながら食べてみてくださいね!