北陸の食べてみられ~石川編~ 「能登牛」
能登牛(のとうし)は、能登の美しい自然と潮風が吹く素朴な風土で丹誠込めて育てられています。
肉質はきめ細かく、上品な脂が特徴。
和牛のオリンピックとも呼ばれる「第9回全国和牛能力共進会」で、オレイン酸の含有率が最も多く、脂肪の質に優れていた為「特別賞」を受賞しました。
【オレイン酸について】
牛肉の柔らかさや香りは、脂肪の中に含まれるオレイン酸の含有率で変わります。
この値が高いほど、とろけるような食感になるそうです。
【能登牛のルーツ】
寛永3年に加賀藩の三代藩主前田利常が能登半島の外浦一帯に製塩業を推進し、その製塩や薪炭を搬出する際に活躍した「役牛」を繁殖したのが始まりとされています。
ちなみに、全国ブランドに名を連ねる黒毛和牛の大半は、兵庫県や山陰地方などから仕入れた種牛がルーツ。
能登牛も、明治25年に兵庫県の但馬地方から仕入れた3頭の種雄牛がルーツです。
大正13年には鳥取県から8頭の牛を導入し、その後毎年計画的に導入した牛が、能登牛の元祖になったと考えられています。
この頃は主に農耕用を目的とした四肢、前駆が屈強な牛が導入されていました。
石川県が兵庫県美方郡から種雄牛を1頭仕入れた昭和9年頃から
『霜降りが入った上質な肉ができる資質型の兵庫系』と『体が大きくなる体積型の鳥取系』の和牛一代雑種の生産が奨励され、この体積に富んだ資質良好な和牛が高く評価されました。
現在の能登牛は、この和牛一代雑種にさらに兵庫系の雄牛を交配しており、肉質のきめの細かい良質のブランド和牛として高く評価されるまでになったのです。
能登牛は出荷頭数が年間930頭(平成28年度の出荷頭数)と少なく、ほぼ県内でしか流通していない状況。
しかし、能登牛を求める声は多く寄せられており、地元はもとより全国にも供給できる体制が望まれています。
そこで、石川県では増産体制作りを促進中。
脂肪の質に優れた能登牛、広い地域で食べられるようになるといいですね!