九州の食べんといかんばい~熊本編~ 「高森田楽」
熊本県阿蘇の高森地区に、「高森田楽」という郷土料理があります。この地区近辺でしか採取できない「つるの子芋」をより美味しく食べるために考えられた料理で、他にも地元特産の食材を使用し、なんと鎌倉時代から食べられています。
味噌ダレを塗ったつるの子芋やこんにゃく、山女魚(ヤマメ)などを、現代ではめったに見かけなくなった囲炉裏で焼きます。じっくりと焼き上がるまで、気心知れた仲間達と囲炉裏を囲んでお酒でも飲みながら待つのが粋な楽しみ方です。
高森田楽に欠かせない「つるの子芋」とは里芋の一種で、火山灰土壌の痩せた土地にしかできない作物です。こういった土地では米や麦の栽培が難しいため、高森地区ではつるの子芋を主食として、昔は生活をしていたそうです。一説によると、芋の先端が鶴の首のように曲がっていることから、その名前が付いたのだとか。
食材に塗る味噌ダレは店によって様々なので、シンプルな調理法ですが各店に特徴があります。田舎のゆっくりと流れる時間の中で味わう雰囲気は、現代人の疲れた心を癒やしてくれること間違いなし!囲炉裏での調理法も人気で、最近では外国人の観光客も多いそうです。あなたも大切な人と、のんびりと素敵な時間を過ごしてみては?