九州の食べんといかんばい~長崎編~ 「かんざらし」
いよいよ暑い夏の到来!今回は、味も見た目も涼しい長崎の伝統的なスイーツ「かん(寒)ざらし」をご紹介します。
かんざらしとは、白玉粉で作った小さな団子にシロップがかかったもの。長崎県の南東にある島原市の名物です。中国や台湾に「湯圓(タンユエン)」という白玉団子のスイーツがあり、かんざらしによく似ています。古くから中国文化に影響されてきた長崎なので、かんざらしのルーツもここからきているのではと言われています。
では、なぜ島原市で普及したのでしょう?
それは、水に関係があります。
茹でた白玉団子は大量の冷水にさらし、冷やしたシロップをかけて頂くのですが、水道水ではなく島原の天然の湧水で冷やすのがポイントなんです。
実は島原市は古くから湧水に恵まれ、現在も市内には約50もの湧水ポイントがあり、「水の都」と呼ばれる町。1792年に起こった普賢岳の噴火に伴う地震で、島原地区一帯に地割れが生じて地下水が噴出しました。それ以来、島原ではいたるところで地下水が湧き出るようになったのです。
ミネラルたっぷりの湧水で冷やした白玉団子は、水道水とは格別の美味しさ!シロップにも湧水を使用する飲食店も多いそうです。ちなみに名前の由来は、白玉団子の原料である「もち米」を大寒の日に水にさらす習慣があったため、「かん(寒)ざらし」と呼ばれるようになったそうです。
シンプルなスイーツですが、お店ごとに味付けが違うのも楽しみのひとつ。シロップの上品な甘さと、冷たくてツルッとした喉越しの白玉団子は夏にピッタリです!