九州の食べんといかんばい~佐賀編~ 「鯉料理」
皆さんは鯉を召し上がったことはありますか?高級料亭などで食べられる魚、というイメージを持っている方も多いでのはないでしょうか。
佐賀県小城市(おぎし)には、全国名水百選にも選ばれるほどの透き通った「清水の滝」があり、その清水にさらされた鯉が名物になっています。川魚は臭みがあって苦手と敬遠する方もいますが、ここの鯉には全く臭みがなく、身が引き締まってさっぱりとした味わいです。
その秘密は、鯉の体内を十分キレイにするため、清水に1ヶ月ほど鯉をさらし、その期間全くエサを与えないこと。これによって鯉の体内からは泥などの不純物が完全に取り除かれ、臭みがなくなります。水質の良さは鯉の肉質に直結するほど重要なもの。良質な水が豊富なこの地域ならではの名物なのです。
鯉料理といえば、「鯉のあらい」と「鯉こく」!
鯉のあらいとは、薄くそぎ切りにした鯉の身をサッと湯に通し、すぐに冷水でしめたものです。余分な脂が落ち、淡白でコリッとした食感になります。酢味噌で頂くのがオススメ!
そして鯉こくとは、簡単に言うと鯉の味噌汁なのですが、鯉を味噌で2時間ほど煮込みます。鯉の出汁がきいて、旨みとコクの深い味噌汁は絶品です。最近では、鯉こくのフリーズドライも登場しているので、お土産にも◎
実は、鯉は様々な病気に効く良薬といわれるほど優れた魚。中国最古である薬物書にも、鯉は上薬で医薬品の中に分類されているんです。効能の一部をご紹介すると、血液循環や肝機能の改善、産後の滋養強壮、頭痛、冷え性、むくみ解消、疲労回復など、挙げるとキリがないほど!そのくらい栄養価に富んでいて、タンパク質やビタミン、ミネラル類を多く含んでいます。そのため鯉は、「薬用魚」や「療養魚」と呼ばれ、魚の中で最も薬効が多いといわれているのです。
清流の滝の登り口には、鯉料理を提供する飲食店が軒を連ねています。落差75mもある滝は豪快、かつ美しさもあり、観光客で賑わっています。都会の喧騒から離れてリフレッシュ!そして鯉料理に舌鼓を打ちに訪れてみませんか?