株式会社クラヤ 総料理長 大阪市出身。21才から飲食業に従事し、中華料理の経験を積む。1998年、29才で母体会社(株)クラオへ入社。2年後には総料理長に就任し、各店舗の出店や(株)クラヤの設立にも立ち会う。現在は6店舗を統括し、人材育成やレシピ開発などを積極的に行う。 | |
母体は食肉卸の専門業者。毎日競りで仕入れた上質な和牛が、ダイレクトに各店舗に運ばれる。「この肉質をこの価格で提供できるのが絶対の強み」と総料理長の西浦さん。肉料理以外の創作一品料理も多数取り揃え、住宅街の店舗を中心に圧倒的なリピート率を誇る。 |
上質×低価格だけではない食肉卸業ならではの強み
――住宅街の店舗を中心に6店を運営されています。
西浦:長く愛される店作りを心がけています。最初に派手なオープニングセールを行うのではなく、口コミで地道に地域に根付いてこそ、本当に強い店になる。たしかに最初は苦しい時期もあり、手応えを感じるまでに2年以上かかることもあります。しかし、住宅街ではない「なんばパークス店」であっても、10年以上に渡り長く続いています。商業施設のオープン当初からテナントに入った飲食店で、残っているのは当店を含め2店だけだそうです。
――母体が食肉卸の専門業者。極上の黒毛和牛を低価格で提供する店として、不動の人気を得ています。
西浦:毎日競りで仕入れたお肉がダイレクトに店舗に届くため、中間コストがかかりません。その分、価格でお客様に還元できます。産地は九州産のものが中心で、佐賀牛や宮崎牛など、その時期ごとに一番良い質のものを入荷します。この肉質をこの価格で提供できる店は限られていると思います。
――他にも専門業者だからこその強みがあるとか?
西浦:母体会社には食肉を扱うスペシャリストの人材が揃っています。特に肉のカットに関しては、ある程度まで美しく切り分けたブロック状で店舗に届くため、経験の浅いスタッフでも早い段階から調理に携わることができます。反対に、食肉の知識を深めたいスタッフは、母体会社にて学ぶことも可能です。
――他ジャンルからの転職者も多いそうですね。
西浦:肉料理以外のメニューも充実しており、夜はお肉を使った寿司やラーメンなど、焼肉専門店には珍しい料理が数多く登場します。ランチタイムのメニューも豊富で、約50種類。焼肉ランチなどの定番から、日替わりランチ、松花堂弁当などさまざまなジャンルが揃います。ベースは私が月替わりで考案していますが、各店舗でアイデアを出し合って提供しているオリジナルメニューもあります。他ジャンルでの料理経験を、最大限生かせる職場です。
――人材育成で心がけていることはありますか?
西浦:まず、社員の個性を尊重すること。トップダウンの会社ではなく、社長自身も非常に柔軟な方です。自由にアイデアを出せる社風のため、スタッフの定着率は非常に高く、私を含め10年以上働いている社員も多くいます。技術を身に付ける際も、「見て覚えろ」という姿勢ではなく、わかりやすいマニュアルを作り、アルバイトであっても調理スキルをスムーズに学べるように工夫しています。
――レシピもすべてのスタッフさんに公開されているそうですが、リスクはありませんか?
西浦:レシピがあるからと言って、まったく同じものが作れるわけではありませんし、たとえ真似をされたとしても、当店のメニューが広まっていくことは逆に嬉しいことだと認識しています。現在は細かい作業を本にまとめたり、肉の切り方や自家製キムチの漬け方を動画で学べるような仕組み作りにも積極的に取り組んでいます。数ヶ月前から外国人スタッフの受け入れも始めましたので、より幅広く、誰でも技術を学べる環境を作っていきたいと考えています。
――今後、御社に必要な人材とは?
西浦:経験よりも、長く真面目にコツコツ働き続けてくれる人材がほしいですね。他ジャンルからの転職も歓迎しますし、外国人採用も今後続けていく予定です。
――新規出店などの計画はありますか?
西浦:将来的には焼肉以外のジャンルも考えています。たとえばしゃぶしゃぶやハンバーグなど、肉を扱う強みを生かした業態も視野に入れていますが、当面は人材の育成に力を注ぐつもりです。未経験者でも手取り足取り、しっかりと教えていきますので、臆せず飛び込んできてほしいですね。
2018.7.19更新 取材・文/太田 裕子
【取材したお店】
肉処 倉 豊中店
電話/06-6850-4129
住所/大阪府豊中市桜の町7-6-1
営業/11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~23:00(L.O.22:00)
定休日/不定休
交通/大阪モノレール「小路駅」徒歩10分
株式会社クラヤ
電話/06-6850-4129
住所/大阪府豊中市桜の町7-6-1