心豊かな毎日を過ごす、 きっかけとなる場所でありたい カフェ リヒト オーナー 相原 祐子さん |
仕事や暮らしの雑事に追われ、慌ただしく毎日が過ぎていく。そんなときに少し立ち止まって、“ていねいな時間”を過ごせる場所が、神戸・花隈のカフェ リヒトだ。
お店の目印はアーチ型のかわいらしい窓。ナチュラルテイストのおしゃれな店内には、優しく注ぎ込むリヒト(光)と、スコーンをはじめとした手作り焼き菓子の甘くて美味しそうな香り。それだけで気分がほっこりすること間違いなしだ。
オーナーの相原祐子さんは、学生時代に写真を専攻。同時に、飲食業でアルバイト経験を積んだ。卒業後に選んだ道は、フードコーディネーター。写真の知識・技術と「かわいい盛り付けに興味があった」という自身の“好き”を組み合わせた進路だった。東京に出て、まずはアシスタントからキャリアをスタート。徐々に仕事の幅を広げていき、雑誌の撮影や店舗立ち上げ時のメニュー撮影を担当するようになった。
「学生時代、フードコーディネーター以外にもう一つ夢がありました。それがカフェの経営です。その思いを社会人になってからもずっと持ち続けていました。そして、フードコーディネーターとしての仕事が落ち着いてきた頃、『そろそろチャレンジすべきときかも』と思ったんです。」
相原さんが思い描いた店は、例えるなら教会や修道院。世間の喧騒から離れ、静かで落ち着いた時間が流れる場所だ。また、優しい光にあふれて、ゆっくりと呼吸したくなる場所でもある。そんな場所になり得る物件を探していたところ、出会ったのが現在の店。まず魅了されたのが、お店の代名詞とも言えるアーチ型の窓だ。花隈という都心部から少し離れた立地も気に入った。「ここしかない!」と思い、出店場所を決断。そして2018年3月、縁もゆかりもなかった神戸に移り住み、お店をオープンした。
そういった思いで誕生したお店とあって、相原さんは「ゆったりとした空気感」を大切にしていると言う。例えばメニューは、モーニング、ランチともにセットメニュー数種に絞り込んでいる。そうすることで、相原さん自身が余裕をもってお客さんと向き合えるように、という思いからだ。
「最近、陶芸家の方の協力を得て、お店オリジナルの食器を扱い始めました。お花などのワークショップも開きたいと考えています。お気に入りの食器を使ったり、お花を飾ったりすることで、ほんの少し、豊かな気持ちで毎日を過ごすことができるはずです。そんな、“心豊かな暮らし”につながるきっかけ作りを、この場所を通じて行っていきたいです。」
「ゆっくり」を大切にする相原さんが普段から心がけているのは、「ひと呼吸してみること」だそう。
「忙しいな、余裕があまりなくなってきたなと感じたら、料理を作るときや提供するときに、一息ゆっくりと呼吸してみます。そうすると、お客さんの顔や、料理の美味しそうなところが見えてくるんですよね。その気持ちを持って調理したり料理を運んだりすると、また余裕が生まれて仕事が楽しくなってきます。飲食業の醍醐味である、お客さんの喜ぶ姿が見えてくるんです。忙しいときほど深呼吸。同じように飲食業に携わっている人にも、ぜひ試してみてほしいですね。」
2019.7.11更新 取材・文/ウィルベリーズ
【取材したお店】
カフェ リヒト
電話/070-1768-1188
住所/神戸市中央区中山手通7-2-1 エルミタージ南光荘A-1
営業/7:00〜17:00
定休日/月曜、火曜、水曜&不定休
交通/神戸市営地下鉄「県庁前駅」徒歩6分、阪神「西元町駅」徒歩9分