笑顔溢れる店を作りたい 第二の家族、スタッフと共に BAR BIANCO(バル・ビアンコ) オーナー 山戸 真実さん(31才) |
樟葉で生まれ育ち、思い描いていた理想のお店を地元でオープンした山戸さん。長年カフェで働き培った経験を元に、「お客様だけでなくスタッフも、皆の笑顔が溢れる空間」を実現。気軽に集まりお酒が飲める場として、界隈の人たちに愛されている。
「飲食店で独立するとは、まったく考えていませんでした」と振り返る山戸さん。結婚を機に勤めていたカフェを退職し、出産。そのまま専業主婦として過ごすつもりだったという。しかし人手が足りず、元の職場から「手伝ってほしい」と声がかかり復職。最初は軽い気持ちであったが、次第に職場環境を改善したいという思いが募る。
勤め先である以上、自分たちで変えられることは限られている。もっと皆がいきいきと働くことはできないのか? そのジレンマが、独立への原動力となった。現在社員として共に働く店長、フードディレクターの二人は、共にカフェ時代からの仲間。店作りに際しては、熱い議論を交わしながら信頼関係を培ってきた。
一年目はがっつり現場に入り店を切り盛りした山戸さんだが、二年目からは積極的に外部へ勉強に出かけるようになった。「店の中だけにいると、外の情報が入ってこないんです。私は経営の勉強をしたこともなかったので、オープン当初はドンブリ勘定。数字に強くなりたいという気持ちもありました。」
経営者の勉強会に参加するようになって感じたのは、「自分も愛を持って人を育てていきたい」ということ。たくさんの飲食店オーナーと接することで、経営以外のことも多く学んだ。それまでは仲が良すぎるがゆえ、スタッフと気分次第で接していた。しかしこれからは一丸となってお店のことを考えていきたい。スタッフも交代で勉強会に参加するようになったところ、一人ひとりの意識が変わり、店内にはより笑顔が溢れるようになった。
「今ではアルバイトスタッフも目標を持ち、アイデアを出せる環境になりました。スタッフは第二の家族。そう心から思えるようになった時、売上もおのずと伸びていきました。」今後は10年後に10店舗を出店するという、大きな目標を掲げている。一店舗だけの収益では限界があり、スタッフの働く環境を十分に整えることができないと感じたからだ。「飲食業はブラックのイメージがありますが、私たちの世代から変えていきたい。福利厚生も充実させていきたいと考えています。」
輝くママの姿を見て育つ二人の娘さんは「将来このお店で働きたい!」と言っているそう。まずは地域一番店を目指し、山戸さんの挑戦は始まったばかりだ。
2017.8.31更新 取材・文/太田 裕子
【取材したお店】
BAR BIANCO(バル・ビアンコ)
電話/072-867-3556
住所/大阪府枚方市町樟葉1-6-11 クリオコート樟葉1F
営業/11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~翌0:00(L.O.23:00)※金・土は~翌2:00(L.O.翌1:00)
定休日/不定休
交通/京阪本線「樟葉駅」徒歩3分