飲食業から皆の幸せを創りたい 地域と従業員に愛される店 Fiore kucina~Onda~ 代表取締役 中澤 洋一さん(37才) |
独立願望はまったくなかった。恩人である社長の下で力になりたい…そう願い仕事に励んでいた中澤さん。しかし、その社長から独立を強く勧められ29才で店舗を譲り受けて独り立ち。すると意外にも地元のお客様が全力で応援してくれた。「思っていた以上に繁盛し、売上は昨年対比で150%をマークしました。そのとき人生に勝った、と思いましたね。」
天狗になった。友人からは「あの頃は嫌な奴だったな!」と今では笑われる。感謝を忘れた中澤さんの下からスタッフ達は少しずつ離れ始め、売上もじわりと下がってきた。ある日、相談を持ちかけた知人から勉強会に誘われ、飲食店オーナーが参加する「楽花成の会」に参加した。
「皆がスタッフのことを本気で思いやり、社会貢献を志していたんです。カルチャーショックでした。最初は居心地が悪く、すぐに会を辞めようと思っていたくらいです。」しかしそんな心中を知ってか知らずか、二次会に誘ってくれた会長や主要メンバーたちが、親身になって相談に乗ってくれた。涙を流しながら「スタッフを悪く言う社長を慕う人はいないよ。社長とは、裏切られても裏切られても与え続ける人やで」と言われ、中澤さんは「膝から崩れ落ちた」と振り返る。
今、本音でぶつかり合い絆を結んできたスタッフたちを「パートナー」と呼び、自慢の仲間であると誇る中澤さん。少しずつ築き上げた信頼と密なコミュニケーションが功を奏し、店舗の雰囲気が変わると売上も回復。活躍するスタッフのために「店を増やそう」と考え、同時に経営についての勉強にも力を入れた。
「若手の子たちに店長を経験し、達成感と自信を得てもらいたいんです。例えば同窓会に行っても一番輝いている人でいてほしい。それが飲食業界で働く魅力を世間に発信することにつながります。成長の場を求めている人は、是非当社へ来て下さい!」働く楽しさを知ったアルバイトスタッフは、社会に出てもおおいに活躍している。彼らからの報告を聞くたびに、「この仕事をしていて良かった!」という実感で胸が熱くなるという。
2017.7.13更新 取材・文/太田 裕子
【取材したお店】
イタリアン酒場 Fiore kucina~Onda~
(フィオーレ クッチーナ オンダ)
電話/06-7492-6605
住所/大阪市港区波除3-3-10
営業/17:00~翌0:00(L.O.23:00)
定休日/日曜日
交通/各線「弁天町駅」徒歩1分
株式会社 ファーストオーシャン
電話/06-6577-8881
住所/大阪市港区築港3-6-16