繊細な感性を生かし うどん直 店主 岩本 直純さん(33才) |
JR六甲道駅からほど近い、静かな町の一角。まるでカフェのように洒落た空間から、店主の岩本さんが出迎えてくれた。「若い方にも本格出汁のうどんを気軽に味わってもらいたいと思い、入りやすさを工夫しました。」青と白の椅子を配し、カウンターもゆったりと。奥の席からは岩本さんが製麺している様子がよく見える。
「安心・安全な食材を使いとことんこだわりたい」と考えていた岩本さん。修行時代から追求していたという自家製麺は、香り豊かな国産小麦とオーストラリア産小麦を独自に配合。大阪うどんよりも噛み応えがあり、讃岐うどんほど固くないというモチモチかつコシのある食感を実現した。
対する出汁は三種類の鰹と利尻昆布を使用。上品でまとまりのある味に仕上げた。化学調味料は一切使わず、一品料理も国産の野菜や丹波地鶏などを用い、すべて手作り。一人客からファミリーまで多くのお客様で賑わうが、「学生さんが来たらボリュームを多めに。年配の方には柔らかめに麺を湯がくなど、一人ひとりに合わせた提供の仕方を心がけています」と、細やかな気配りを忘れない。
岩本さんは小さい頃から食べることが大好きで、「極めるなら、好きなことを!」と決意し飲食業の世界に入った。前回ご登場頂いた(株)力丸・中尾社長の下で経験を積み、「お客様にどうしたら喜んでもらえるか?自分の料理をどう表現するか?多くのことを学びました」と当時を振り返る。
念願の独立から早一年。週末には行列ができるようになり、前を通りかかった中尾社長からも「めっちゃ流行ってるやん!」と声をかけられるまでに店は成長した。「自分では全然実感がないんですが、近隣の方が喜んで食べて下さるのが嬉しいですね」と照れる。そんな頑張るパパの姿を見た6才と9才の息子さんは「将来はうどん屋になりたい」と宣言。「この子達が大きくなった頃、ともに新たな出店ができたらと考えています。」
2017.6.8更新 取材・文/太田裕子
【取材したお店】
うどん直(なお)
電話/078-858-7550
住所/神戸市灘区六甲町1-1-7
営業/11:00~15:00、17:00~21:00(L.O.20:30)
定休日/不定休
交通/JR神戸線「六甲道駅」徒歩4分