下山 雄司
– Yuji Shimoyama –
1968年生まれ、群馬県出身。上智大学在学中はアメリカンフットボール部でプレーする。大学卒業後は、株式会社 電通に就職。約9年間勤めた後、飲食の世界へ進出。2000年6月に株式会社 グラナダを設立し、3つ星レストランをはじめ、数々の人気店を東京にオープン。現在は、期間限定のプロジェクト「COOK JAPAN PROJECT」を手がけている。
広告代理店から飲食業界へと転職 きっかけは、とてもシンプル
薪窯で焼く本格的なナポリピッツァの小さなお店から出発し、今年で20周年を迎える『グラナダ』の代表取締役、下山氏。会社設立後、メディアなどの表舞台に出ることがほとんどなかった下山氏だが、そこには理由があった。
「基本的に会社の名前や僕の名前、顔などは表に出したくないんです。なぜなら、食べる人、つまりお客様にとってそれは関係ないですから。料理がおいしくて、お店の評判さえよければ、そのお店を運営している会社なんてお客様にとってはどうでもいいはず。それに、がんばっているのは現場の人間なのに、運営会社や社長がどうだから、こうだからとお店を判断されるとイラッとするんです。そういうふうにイラっとする時間は人生にとって無駄ですからね(笑)」
そんな下山氏が今回、多方面に渡り取材を受けているのは、会社設立20周年と彼が今最も力を入れているレストランプロジェクト『COOK JAPAN PROJECT』が重なったため。この話を聞く前に、下山氏がなぜ飲食の道に進んだのかを聞いてみると…。
「父親が林野庁で働いていたので、小さい頃は引越ばかりしていましたね。中学からは東京で、大学ではアメフト部に入り一部リーグでプレーしていました。それまで一度も飲食の仕事をしたいと思ったことはなくて、むしろ商社マンになって東南アジア等で仕事をしたかったんです。でも就職試験で商社は全滅、唯一受かった電通に入社しました」
電通の媒体局で働き出して約7年の月日がたったとき、下山氏はナポリでピッツァの修業をしていた友人に誘われて、一緒にお店をだすことになる。
「母親が店を出すということにして、会社にはファミリービジネスの監査役をすると届け出をだしていました。しばらくは両方の仕事をしていたんですが、普通の企業にいるとそのうち出世争いに巻き込まれるな、と考えたんです。自分にはそういうめんどくさいことは合わない。それなら、仕入れて、売って、ありがとうございます、というシンプルな流れの飲食のほうが向いているんじゃないかと思い、1本にしぼることにしました。毎日スーツを着るのにも飽きていましたしね(笑)こうして下山氏は飲食の道をまっすぐに歩き始めることになる。
世界のスターシェフが集結する 『COOK JAPAN PROJECT』
「僕が若かったときは、日本で食べられるピッツァは宅配ピザぐらいで、ピッツァというよりはパンという感じで嫌いでした。でも、電通時代に本場イタリアのナポリに行ってピッツァを食べたら、これはおいしい! と思えたんです。だからこそ、友人の誘いにも素直に乗れましたし、出店にもすぐつながったというわけです。そんな頃には、まだ薪窯でピッツァを焼いているお店なんてありませんでしたしね」
そこから下山氏はいくつものお店を立ち上げた。はじめは、ひとつのお店に対してひとつの会社という経営スタイルだったが、シンプルなことが好きな彼にとって、それはとてもわずらわしいものに思えてきたのだ。
「会社の設立は簡単にできるので、バンバンつくっていたら、運営が大変になり、最終的に残したのが今の”グラナダ”。スペインの都市名ですが、社名に深い意味はありません(笑)」
グラナダとして展開したレストランのひとつで、かの有名な星獲得レストランである『サンパウ』は、15周年を機に今年の3月、永田町に移転。その跡地で行われることになったのが、インタビューの冒頭で触れていた『COOK JAPAN PROJECT』である。
「この場所はオリンピックに合わせて再開発されるので、建物自体が取り壊されるんです。『サンパウ』は契約が2020年の3月までだったので移転先を見つけたんですが、取り壊されるまでにはまだ少し時間があるし、おもしろいことができないかと考えたんです。そんなときふと、前々からヨーロッパのシェフたちが日本に行きたいと言っていたことを思い出して、ならば各国のシェフを呼んでレストランをやったらどうかな…と。『サンパウ』のキッチンと客席なら、3つ星クラスのシェフを呼べるし、店の図面などがなくても話がスムーズに進みやすいんです。『星獲得レストランをやっていた場所でこういうイベントをやるんだけど日本に来ない?』そんなふうに声をかけたら、話がどんどん広まって、参加したいと言ってくれるシェフが増えました」
『COOK JAPAN PROJECT』はヨーロッパを中心に、アジアや南米、アメリカなど世界各国から来日するスターシェフが、日本の食材を使って最高の料理を提供するという他に例を見ない唯一無二のプロジェクトである。今年4月から約10ヶ月に渡り、オープニングシェフのヤニック・アレノ氏を皮切りに、日本で出会えるはずのないスターシェフたちの料理を味わえるというだけあって大きな話題になっている。
「食材や食器は日本のものにこだわっているので、いろいろと大変なこともありますが、素直に楽しいですね。日本全国から選りすぐりの食材を取り寄せて、その味を活かし、うま味調味料などに頼らず、シェフたちが腕をふるい、お客様に楽しんでもらう。シンプルだけど、とても素晴らしいことだと思います」
おもしろいことが好きだからこそいろいろな案が常に浮かんでくる
シンプルでおもしろいことが好き。そう語る下山氏だが、彼が仕事をする上で大事にしていることとは? その答えもまたとてもシンプルだった。
「筋が通っているか、いないのかの話。それは相手が誰であれ同じこと。たとえどんなに偉い人であろうと、筋が通っていなければ僕はかみつきます(笑)。それ以外に譲れない部分やこだわりなどはありませんね。基本、面倒くさがり屋なんで。どんなときでも物事の筋だけは間違えちゃいけない、芯にあるのはただ、それだけです」
では若いスタッフを育てる上で気をつけていることは、と聞いてみると。 「人によって考えは違うので、気をつけることは特にありません。ただ、最初に必ず伝えることは、働くことへの意識の持ち方。調理師専門学校では自分たち、もしくは親がお金を払っているから教えてもらって当然だけど、店にでたら、お客様からお金をもらう立場になる。だから料理を学ぶのではなく、きちんと働くということを意識してもらいたい」
「明るく、素直で、元気であること―ホテルマンの素養は、この3つに尽きます。料理人であれサービスマンであれ、この3つを備えている方であれば即、採用です(笑)。もちろん、料理人なら高度な料理の技術をもち、センスがあればそれに越したことはありません。ですが、この3つはそれよりもはるかに重要です。明るく素直で元気な方は、すなわち前向きな方。必ず成長していきますし、お客様の望んでいることに気づく力を着実に身につけていきます」
最後に、今後の展望を聞いた。
「来年、横浜で大きな案件が控えています。それとは別に、南米のレストランも展開したいですね。あとは、ベトナムのフォーのお店とか! 最近、池袋に行ったらなんだかおもしろそうな雰囲気だったので、池袋に店を出すのもいいかもしれない。予定を立てることはしませんが、いつどんな話がきても動けるように、準備はいつでも完璧です(笑)」
その笑顔は自信に満ちていた。
世界のスターシェフ による夢の食プロジェクト「COOK JAPAN PROJECT」をぜひチェックしてみてください!
【公式HP】https://cookjapanproject.com/
【Facebook】https://www.facebook.com/CookJapanProject/
【Instagram】https://www.instagram.com/cookjapanproject/ 『#cookjapanproject』で検索
~名古屋エリア店舗一覧~
名古屋駅前の商業施設「ミッドランドスクエア」の4階に3店舗展開中
(名古屋市中村区名駅4-7-1)
【PIZZERIA ISOLA(ピッツェリア イゾラ)】
東京・白金に1999年にオープンした本場ナポリスタイルのピッツェリアISOLAの名古屋店。イタリア直送の粉、塩、モッツァレラを使い窯職人が造った薪窯で焼く香ばしいナポリピッツァや、豊富に揃ったイタリア各地のワインを提供しています。
【BAR de Espana Muy(バル デ エスパーニャ ムイ 名古屋)】
東京丸の内TOKIAで人気を博すスペインバルの2号店。開放感のある窓に面したロングカウンターや個室など臨場感溢れる店内で、多彩なタパスの他に、本物のスペイン料理が堪能できるお店です。
【尾張 三ぶん】
名店ひしめく東京・銀座にありながら、多くの食通が訪れる割烹酒亭「三ぶん」の姉妹店。天然ものの魚を用いた、店主による心づくしの割烹料理を選りすぐりの日本酒とともに提供しています。
■グルメキャリー取材担当者のコメント■
カジュアルなお店から、ミシュラン星つきの高級店まで、幅広いレストランを展開。クオリティの高い個人店の集合体をグラナダは目指しています。「COOK JAPAN PROJECT」には行けなくても、名古屋の店舗で食事付の会社説明会を随時開催しています!
【株式会社グラナダ】
名古屋市中村区名駅4-7-1 ミッドランドスクエア4階
TEL:03-6280-3043
採用担当:工藤
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