人が生きる上で欠かせない「水」。日本は水が豊富な国で、蛇口をひねって出てくる水も、そのままおいしく飲めることがほとんどです。今回は「硬水」と「軟水」について、見ていきたいと思います!
硬水 | 軟水 | |
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WHOの基準 | 硬度が120mg/l以上 | 硬度が120mg/l以下 |
味 | マグネシウムが多いほど、 しっかりとした重めの口当たり | まろやかで軽い口当たり |
適した料理 | 洋風の煮込み料理 | 日本料理 |
硬水と軟水の違いは「硬度」にあります。硬度とは、水1リットルあたりにカルシウムとマグネシウムがどれだけ含まれているかで異なり、国や地域によってもその定義は様々。例えば、WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が120mg/l以上の水を硬水と呼び、硬度が120mg/l以下の水を軟水と呼んでいるそうです。
>>>硬水って?
硬水には、カルシウムとマグネシウムが多く含まれています。マグネシウムの濃度が高ければ高いほど味のクセが強くなるため、硬水を飲み慣れていない人にとっては、喉に引っかかるような重めの口当たりを感じることが多いようです。
硬水に含まれるマグネシウムは下剤にも使われているため、便秘解消の効果が期待できます。また、血液をさらさらにする効果も期待できるため、動脈硬化予防にも適しているんです。
ところが、腎臓が弱い方が大量に摂取してしまうと、硬水に含まれるカルシウムを腎臓でろ過しきれずに、結石のリスクが高まる可能性もあります。胃腸が弱い方も同様で、お腹がゆるくなってしまうこともありますので、慣れるまでは一度に大量の硬水をとらないようにするなど注意が必要です。
硬水は味や香りに特徴があるため、和食など素材の味わいを活かした料理や、コーヒーや紅茶などの香りを楽しむ飲み物には、あまり適していません。その反面、肉を柔らかくしたり臭みを消したりしてくれるので肉などの煮込み料理に向いています。パエリアやパスタの調理にもいいですよ。
>>>軟水って?
日本の多くの地域で飲める水が軟水です。まろやかな味わいでクセがほぼなく、軽やかな口当たりが特徴です。ちなみに、日本でも地域によっては軟水というより硬水に近い水というケースもあります。関東地方や沖縄などがそうです。
軟水はマグネシウム含有量が少ないためお腹に優しい水です。そのため、赤ちゃんや小さな子供、胃腸の弱い人も安心して飲むことができます。また、胃腸だけでなく、肌や髪にも優しいのが軟水。肌がつっぱったり髪がきしんだりする心配がほとんどありません。硬水と比べ、軟水は石鹸などの泡立ちもいいんです。
ただ、カルシウムとマグネシウムをほとんど含まないため、ミネラル補給には向きません。
軟水は無味無臭で、出汁や素材の味・香りを邪魔しないため、繊細な味付けの和食に適しています。
>>>まとめ
一見するだけでは違いの分かりにくい「水」ですが、いざ飲めば「硬水」と「軟水」の違いは大きいものだと分かります。流通システムの向上やインターネットが普及したことで、一昔前に比べると世界中のあらゆる水を比較的簡単に入手することができるようになりました。ぜひ用途や料理で使い分けるなど、色々な「水」を楽しんでみてください!