北陸の食べてみられ~石川編~ 「ハントンライス」
ハントンライスとは、オムライスの上にフライがのり、ケチャップとタルタルソースがかかった洋食。もともとはカレイ目の魚である「オヒョウ」を使った白身魚フライがのっていましたが、今は海老やトンカツなどバリエーションは様々です。
この「ハントンライス」という不思議な名前は、ハンガリーの「ハン」と、フランス語でマグロをあらわす「トン」を合わせたものといわれています。
ハントンライス誕生秘話
1960年代後半、とある会社の社長が、金沢の中心地である片町にレストランを出店する際、洋食部門のシェフたちと知恵を絞って考案したメニューが「ハントンライス」でした。
直接のアイディアを出したのは当時の料理長。彼は修行時代にご飯をパプリカとバターで味付けし、余ったマグロのフライなどを乗せたまかない料理を作っていたのです。このまかない料理をヒントに、味付けを日本人の好むケチャップに変えました。
すると若者を中心に人気メニューとなり、その後独立した何人かのコックたちが自分の店のメニューにハントンライスを加えていったことから、金沢市内の洋食店に広まっていきました。発祥となった片町のお店は閉店となってしまいましたが、金沢の特徴的な料理として現在も多くの人々に愛されているのです。