「関東風の桜餅」と「関西風の桜餅」の違いって何？

日本各地で桜の開花宣言がされ、そろそろ見ごろを迎える時期になってきました！お花見に欠かせない和菓子の一つに「桜餅」を挙げる方も多いのではないでしょうか。でもこの「桜餅」には、関東と関西で大きな違いがあるってご存知ですか？

関東風の桜餅と関西風の桜餅、まず見た目が全然違います！材料や作り方が違うので、もちろん味も大きく違うんです。

>>>桜餅はいつできたの？

桜餅が生まれたのは江戸時代のこと。8代将軍の徳川吉宗が行った「公園政策」をきっかけに作られました。
当時の江戸には100万を超える多くの人が暮らしており、その住民が憩う場として公園が作られることになりました。さらに吉宗公の命で桜の木を植えたことにより、人々は公園でお花見を始めるようになったそうです。そしてその公園の付近にあったのが「長命寺」。1717年、山本新六という寺の門番が考案したのが「桜餅」なんです。落ちた桜の葉を有効活用できないかと考えたのがきっかけだと言われています。エコな発想で生まれた桜餅は、瞬く間に花見客に受け入れられ、大ヒット商品となりました。

>>>関東風の桜餅って？

関東風の桜餅はクレープ状です。小麦粉に、白玉粉やもち粉などを混ぜて焼いたものであんこをくるみ、桜の葉で包んだものを指します。
関東風の桜餅は、生まれた寺の名前から、別名「長命寺」とも呼ばれます。桜の葉をはがして、生地に移った香りを楽しみながらいただくことが多いようです。
クレープ状の桜餅は、関東甲信越地方を中心に東北地方などでよく見られます。

>>>関西風の桜餅って？

関西風の桜餅はまんじゅう状です。道明寺粉（もち米を蒸して乾燥させ、粗挽きにしたもの）で餅を作り、桜の葉で包んだものを指します。関東から関西へ伝わる際に、小麦粉ではなく道明寺粉を使うようになったため、見た目も味も大きく違うものになったと言われています。
材料にもなっている道明寺粉の名前から、関西風の桜餅は、別名「道明寺」とも呼ばれます。桜の葉ごと一緒に食べられることが多いようです。
まんじゅう状の桜餅は、関西地方を中心とした西日本だけでなく、東海地方、北陸地方、北海道などでよく見られます。日本全国で見ると、関西風の桜餅の方がポピュラーなようですね。

>>>まとめ

最近は流通の発達やSNSの普及などで、どちらの桜餅も知っている、という人も増えてきています。しかし、何も知らずに馴染みのない方の桜餅を見かけたら、カルチャーショックを受ける人も少なくなさそうです。スーパーなどでは両方販売されていることもあるので、見かけたときはぜひ食べ比べてみてください！