沖縄の食べないといけないさー 「ジューシー」
季節の行事やお祝いの席に、沖縄では必ずと言ってよいほど登場する「ジューシー」。米を豚肉やひじき、シイタケ、ニンジンなどの野菜と一緒に、豚肉のゆで汁と出汁で炊き込んだ「沖縄風炊き込みご飯」です。豚肉とそのゆで汁が入っているためコクと甘みがあり、通常の炊き込みご飯に比べると濃い目の味になっています。
今では飲食店でも食べられるジューシーですが、もともとはご先祖様へのお供え物でした。
沖縄では旧盆をとても大切にしており、3日間の旧盆の初日を「ウンケー」、翌日を「ナカビ」、最終日を「ウークイ」と呼んでいます。初日のウンケーに、ご先祖様を出迎えるご馳走として作られていた「ウンケージューシー」が、ジューシーの始まりだとされています。
同じように、冬至の季節にもジューシーは登場します。1年を通して最も夜の長い冬至の頃になると、季節風が吹く寒い日が続きます。沖縄ではこの寒さを「トゥンジービーサ」と呼び、ジューシーを作って火の神や仏壇に供えて家族の健康祈願を行います。このときに作られるジューシーを「トゥンジージューシー」といいます。
このように、ジューシーには様々な呼び方があるんです。炊き込む具材によっても変わり、よもぎ入りなら「フーチバージューシー」、ニラなら「チリビラジューシー」、里芋は「チンヌクジューシー」などがあります。また、硬めに炊いたものは「クファジューシー」、柔らかく雑炊風に炊いたものを「ボロボロジューシー」と呼びます。炊き方や具材を変えたりと、ジューシーは無限大ですね。
具材を入れて炊飯器で炊くだけなので、家庭でも簡単に作れます。もし土鍋があるなら、少し長めに炊くと美味しいおこげもできますよ!